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ポリエステルはどんな素材?

2021/07/31

ポリエステルはファッションやインテリア、日用品など、生活の中のさまざまなアイテムに使われており、幅広く活用されている素材です。

服の生地は半分以上はポリエステルを中心とした合成繊維からできています。避けようとしないと、気づいたらポリエステル製品を使っている、ということは少なくありません。

身近にたくさん使われているポリエステルですが、なぜこんなにポリエステルが使われるのか、どんな素材なのかご紹介します。

ポリエステルとは?

ポリエステルは、石油から作られる高分子化合物の総称でプラスチックの一種。

石油を原料として作られる合成繊維のことです。

参考記事 : やっぱり天然を選ぶ?化学繊維と天然繊維 – freeen

アクリル・ナイロンとともに三大合成繊維と言われています。

速乾性・伸縮性に優れており、天然素材にはないツヤっぽさがあるのも特徴です。

ポリエステルは世界でもっとも生産量が多い素材です。
その理由として原料がたくさん手に入り簡単に作れること、原価が安いため機能性がある商品を低コストで作れることなどがあげられます。

ポリエステルの歴史

ポリエステルの歴史は1941年にイギリスの化学者John Rex WhinfieldとJames Tennant Dicksonによって最初に発明されたことからはじまります。

1970年代にプラスチック製のように見えるスーツが普及し、シルキーで光沢があるポリエステルに人気が出ました。
当時は安価で不快な着心地として認知されていましたが、常に進化をとげています。

ポリエステルは環境に悪い?

プラスチックで作られるポリエステルは環境に悪いというイメージ。確かにプラスチック単体では堆肥化(土で分解されること)できず持続不可能な素材です。

ただし、ペットボトルはポリエステル生地にリサイクルされます。

科学が進み、ポリエステル=粗悪品ということは少なくなってきました。
そしてたくさんの機能をもったポリエステル素材のものが誕生しています。

ポリエステルには種類がある

実はポリエステルにはいくつか種類があります。

  • ポリエチレンテレフタレート(PET)
  • ポリブチレンテレフタレート(PBT)
  • ポリエチレンナフタレート(PEN)
  • ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)

もっとも私たちが目にするものはポリエチレンテレフタレート(PET)。ペットボトルの原料でもあります。
服の生地に使われる繊維としては、ほとんどPETが使われており、その他のものは繊維や生地としてはほぼ存在しません。

ポリエステル生地の着心地

ポリエステルは軽い着心地とつるっとした感触が特徴。

速乾性に優れているためスポーツウェアに使われることも多い素材です。

汗を肌に吸着させる、という特性があります。この特性は寒い時に役立ちますが、暑いと不快に感じてしまうことも。

ポリエステルの特徴(メリット)

生地に使われるPET繊維は軽くて耐久性、耐熱性が高い。染色性にも優れ、天然繊維のような風合いを出すこともできます。
糸の形状を変えたり、他の素材と組み合わせて違った性質を持たせることもできます。

  • 軽量で丈夫
  • 形状記憶性が高くシワになりにくい
  • カビや湿気に強い
  • 速乾性がある(吸水性・吸湿性が低い)
  • 耐候性があり劣化しにくい
  • 色落ちしづらい
  • 安く手に入る
  • リサイクルしやすい

軽量で丈夫

ポリエステルはナイロンの次に強度が高い素材です。糸一本一本が丈夫で切れにくくなっています。
縮みや伸び、摩耗に強く、耐久性も高いので型崩れしにくい。
さまざまな化学物質への耐性もあります。

天然素材に比べると非常に軽いのもポリエステルの特徴。
軽くて強度があるため、スーツケースやバックなどの強度が必要で、軽さがほしいアイテムによく使われます。

形状記憶性が高くシワになりにくい

ポリエステルは形状記憶性が高く、シワになりづらいため着崩れも気になりません。長い期間同じシルエットで愛用できます。

洗濯後のアイロンは不要で気軽に使えます。

プリーツ加工やエンボス加工など、何かしらの形(デザイン)をつくりたい時にポリエステルが使われていることが多いです。ポリエステル100%にすれば恒久的なプリーツも作れてしまいます。

カビや湿気に強い

害虫は動物性の繊維を好んで食べます。なのでウールやシルクといった動物性の天然繊維は虫食いの被害にあいやすいです。

ポリエステルはそういった虫害を受けにくいことも魅力です。
ただし、汚れがついたまま放置すると、その部分に虫が食いついてしまうことがあるので、お手入れは怠らないように。

繊維の中に水分が入らず、繊維そのものに水分がほぼないので、水や汗が生地についても吸い込まず、蒸発するのでカビになりにくいです。

カビのイラスト

速乾性がある

ポリエステルは濡れても乾きが速い速乾性があります。速乾性があることで、ベタつきを抑えさらさらとした着心地、さわり心地が保たれます。

耐候性があり劣化しにくい

ポリエステルは耐候性もあります。日焼けが起こりにくく、長期間外気に触れても劣化しないのでアウトドア用品にもよく使われます。

これは光を通しづらく、紫外線を遮蔽(しゃへい)しているためです。屋外の活動が多い場合にとても重宝される機能ですね。

色落ちしづらい

ポリエステルの染色は130°C以上の高温で行われます。
染色できる温度が脱色できる温度と言われているので、同じだけ高温にしないと色が抜けることになりません。

通常の洗濯でそうそう色あせしないのは、こういった理由があります。

安く手に入る

世界中で流通するほど安価で、一般の人でも手に入れやすい素材です。
原材料が安価だと仕上がったものも安っぽいイメージがあるかもしれませんが、有名プランドでもポリエステルを使用し、上質なアイテムを提供しています。
ポリエステルで作ったもの=安っぽい
とはなりません。

モノづくりを考えている方は、はじめにポリエステル素材を試してみるのもいいと思います。

リサイクルしやすい

ポリエステルの生地は燃やしてもダイオキシンがほとんど出ません。
このことからリサイクルに適していると言われます。

ポリエステル生地にドライクリーニングが必要ないため、この点では環境に優しいともいえます。

ポリエステルの特徴(デメリットと注意点)

  • 通気性が少ない
  • 着たときにチクチクする
  • 静電気が起きやすい

通気性・吸湿性が少ない

コットンのような天然素材と比べると吸湿性がとても低く、湿気がたまりやすいです。
身体から湿気や熱気が出ると、服と体の間にとどまってしまい暑く感じます。
インナーで吸湿性が低いと蒸れてしまうこともあるので、選ぶ時は素材をチェックしましょう。

アンダーウェアのイラスト

しかし、現在では水分発散性の高いポリエステルも開発されているため、ひと口に悪いとは言えません。
この改良されたポリエステルは、スポーツウェアやレジャーウェアにも使われています。

着たときにチクチクする

敏感肌の方はポリエステルに限らず合成繊維服を着ると、チクチクしたりするかもしれません。
ただ混紡の場合は感じることは少ないと思います。ポリエステル100%のものでないかチェックしましょう。

静電気が起きやすい

ポリエステルの繊維は水分を含まないので、静電気が起きやすいです。
ただし、糸に工夫したり後加工でデメリットを解消し、静電気防止加工をされているものもあります。
何もしてないポリエステル糸にはそのような機能はないので、気になる時は加工されているものかどうか確認してみましょう。

通常のポリエステルの場合でも、静電気防止アイテムを利用したり、洗濯の際に柔軟剤を使うことで静電気防止になります。

柔軟剤

汚れると落ちづらい

ポリエステルは汚れを吸着します。そしてシミになりやすいです。

汚れたシャツ

皮脂汚れ、タンパク質汚れも注意。黄ばみ、黒ずみの原因になります。これは臭いの原因にもなるので、しっかり洗濯・お手入れしましょう。放置はNGです。

毛玉ができやすい

合成繊維は毛玉ができやすいというデメリットがあります。
さらに丈夫な繊維は強く切れにくく、毛玉ができるとしっかりと留まって取れづらくなります。

洗濯の際は洗濯物を詰めすぎないようにしたり、洗濯ネットを使用すること、連続での着用を避けたりと少し気を付けることで毛玉ができづらくなります。
参考記事 : 毛玉は素材チェックと予防で対策! – freeen

ポリエステルそのものは丈夫で洗濯に気を付けることはあまりないのですが、混紡している素材や加工によっては注意が必要です。品質表記は要チェック。

逆汚染に注意

一度落ちた汚れが再度ついてしまうことを逆汚染と言います。

ポリエステルは汚れを吸着しやすい素材です。汚れが強いものと一緒に洗濯すると、その汚れを吸収してしまうことも。そしてその汚れは取れづらい。
汚れが強いものとポリエステルは別々にしましょう。

火の近くは注意

ポリエステルは可燃性なのでポリエステル100%のものは火の近くでは注意が必要。生地が溶けてしまうこともあります。

また高温のアイロンをかけると変形したり、テカリが出ることがあるので、ここも注意が必要です。アイロンは当て布をして低温〜中温でかけましょう。

デメリットは混紡でカバー

混紡は複数の素材を混ぜて作られること。ポリエステルは他の素材との相性がいいので、混紡されることも多いです。
そして混紡することによって、ポリエステルのデメリットがカバーされます。

混紡の割合によって機能や質感が変わります。どういった特性を優先するかによって、パーセンテージを変えているようです。

ポリエステルと綿

ポリエステルはシワになりにくく、吸水性が少ない。綿はその逆です。
なので、混紡することによってポリエステルのデメリットが少なくなります。

ポリエステルの長所を活かした服選び

素材の特性やメリットを考えた洋服選びをすると便利に使えます。

フォーマルファッション

シワになりにくいポリエステルはフォーマルファッションに向いています。
何かしらの式典などでは長時間座っていることも多いでしょう。
そんな時、シワになりにくいポリエステルは重宝します。

丈夫で型崩れしにくいので長く着れることもポイントです。

ブラウス

こちらも乾きやすくシワになりにくい特性とマッチしたアイテムです。
また、ポリエステルのツヤっぽさは、テロンとしたブラウスにぴったり。

スポーツウェア

普段使いにはあまり使わないかもしれませんが、ポリエステルはスポーツウェアにぴったりな素材です。

特に綿とポリエステルの混紡が○。肌触りがよく、伸縮性に優れているので動きやすいアイテムになります。
部屋着などにもいいですね。

ポリエステルとポリウレタンの混紡は吸水速乾性に優れます。また伸縮性もばっちり。運動中の身体を快適な状態に保ってくれます。

スノーボードやスキーといった冬のスポーツにはポリエステル100%のアイテムがおすすめです。

合成繊維は天然繊維の風合いとはどうしても異なります。ただメリットも多くあります。
利便性や愛着など、自分が重要とすることも考えながら商品選びの参考にしてください。

ぜひTPOに合わせて、ポリエステル素材を上手に使ってくださいね。