ポリエステルはどんな素材?

ファッションやインテリア、日用品まで、身近にあるさまざまなところで使用され、合成繊維の中でもっとも幅広く活用されるポリエステル。
なんと世界でもっとも生産量が多く頻繁に使われている素材なのです。

ポリエステルがなぜこんなに使われるのか、どんなものなのかご紹介していきます。

ポリエステルとは?

ポリエステルとは、石油から作られる高分子化合物の総称でプラスチックの一種。

石油の中に含まれるキレシンという物質をつなげたり他の化学物質とくっつける。
ポリエステルを溶かして細い孔のあるノズル(口金というもの)から繊維状に押し出し、冷却する。

このような工程で化学的に合成されてつくられるため、「合成繊維」とよばれます。

原料がたくさん手に入り簡単に作れることから、ナイロンやアクリルなどの他の合成繊維よりも価格を安くでき、世界中で多く流通しています。

ポリエステル繊維の種類

ポリエステルとよばれるものには種類があります。

  • ポリブチレンテレフタレート(PBT)
  • ポリエチレンナフタレート(PEN)
  • ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)
  • ポリエチレンテレフタレート(PET)

もっとも有名で、私たちが目にするものはポリエチレンテレフタレート(PET)。
ペットボトルの原料でもあり、衣服にもよく使われます。

PET繊維は軽くて耐久性、耐熱性が高い。染色性にも優れ、天然繊維のような風合いを出すこともできます。
糸の形状を変えたり、他の素材を練り込んで違った性質を持たせることもできます。
原価が非常に安く、機能性がある商品を低コストで作れることが素晴らしいところ。

ポリエステル繊維のプチ歴史

ポリエステルの歴史は1941年にイギリスの化学者ohn Rex WhinfieldとJames Tennant Dicksonによって最初に発明されたことからはじまります。

1970年代にプラスチック製のように見えるスーツが普及し、シルキーで光沢があるポリエステルに人気が出ました。
当時は安価で不快な着心地として認知されていましたが、常に進化をとげています。

ポリエステルによって作られているもの

ポリエステルはさまざまなものに使われます。

  • 衣服
  • シーツや布団カバーなど寝具用品
  • 羽毛布団の中身
  • カーペット、ラグなどの敷物
  • ミシン糸
  • テキスタイル
  • スーツケースやバッグ

ポリエステル生地の良い点

  • 丈夫で耐久性が強い
  • 軽量で強い
  • 形状記憶性が高くシワになりにくい
  • カビや湿気に強い
  • 汚れにくく手入れが簡単
  • 速乾性がある(吸水性・吸湿性が低い)
  • 劣化しにくい(耐候性)
  • 色落ちしづらい
  • シルキーな風合い
  • 安く手に入る

丈夫で耐久性が強い

ポリエステルの一番の強みは丈夫さ。糸一本一本が丈夫で切れにくくなっています。

縮みや伸び、摩耗に強く型崩れしにくい。さまざまな化学物質への耐性もあります。

軽量で強い

天然素材に比べると非常に軽い。軽くて強度があるため、スーツケースやバックなどの強度が必要なモノによく使われます。

形状記憶性が高くシワになりにくい

ポリエステルは形状記憶性が高く、着崩れが気にならない。長い期間同じシルエットで愛用できます。
洗濯してもシワになりにいのでアイロン不要で気軽に使えます。

プリーツ加工やエンボス加工など、形状をつくりたい時にポリエステルを使用することが多いです。
ポリエステル100%にすれば恒久的なプリーツも作れます。

カビや湿気に強い

害虫は動物性の繊維を好んで食べるそう。なのでウールやシルクなどは虫に食われやすい。

カビや虫害を受けにくいこともポリエステルの魅力です。
ただし、汚れがついたまま放置すると、その部分に虫が食いついてしまうことがあるので、お手入れは怠らないように。

速乾性がある(吸水性・吸湿性が低い)

ポリエステルの吸水性・吸湿性の低さはデメリットでもありメリットにもなります。吸水性が低いため、汗を吸ってほしいインナーなどには不向きですが、水に濡れてもすぐ乾くことはメリットになります。

繊維の中に水分が入らず、繊維そのものに水分がほぼないので、水や汗が生地についても吸い込まず、蒸発します。
速乾性があることで、ベタつきを抑えさらさらとした着心地、さわり心地が保たれます。

劣化しにくい(耐候性)

ポリエステルは耐候性もあります。日焼けが起こりにくく、長期間外気に触れても劣化しないのでアウトドア用品にもよく使われます。

ポリエステル繊維は光を通しづらく、紫外線を遮へいします。(可視光線の透過を抑制)
屋外の活動が多い場合にとても重宝される機能ですね。

色落ちしづらい

ポリエステル繊維の染色は130°C以上の高温で行われます。
染色できる温度が脱色できる温度と言われているので、同じだけ高温にしないと色が抜けることになりません。

通常の洗濯でそうそう色あせしないのは、こういった理由からなのです。

安く手に入る

世界中で流通するほど安価で、一般の人でも手に入れやすい素材です。
原材料が安価だと仕上がったものも安っぽいイメージがあるかもしれませんが、有名プランドでもポリエステルを使用し、上質なアイテムを提供しています。
ポリエステルで作ったもの=安っぽい
とはなりません。

モノづくりを考えている方は、はじめにポリエステル素材を試してみるのもいいと思います。

ポリエステルの注意点

逆汚染に注意

一度落ちた汚れが再度ついてしまうことを逆汚染と言います。

ポリエステルは汚れを吸着しやすい素材です。汚れが強いものと一緒に洗濯すると、その汚れを吸収してしまうことも。そしてその汚れは取れづらい。
汚れが強いものとポリエステルは別々にしましょう。

火の近くは注意

ポリエステルは可燃性なのでポリエステル100%のものは火の近くでは注意が必要。生地が溶けてしまうこともあります。

また高温のアイロンをかけると変形したり、テカリが出ることがあるので、ここも注意が必要です。アイロンは当て布をして低温〜中温でかけるようにします。

毛玉ができやすい

ポリエステルは繊維が強く切れにくいものです。そのため毛玉ができるとしっかりと留まってしまい取れづらくなります。
洗濯の際は洗濯物を詰めすぎないようにしたり、洗濯ネットを使用すること、連続での着用を避けたりと少し気を付けることで毛玉ができづらくなります。

ポリエステルそのものは丈夫で洗濯に気を付けることはあまりないのですが、混紡している素材や加工によっては注意が必要です。品質表記は要チェック。

ポリエステルのデメリットと改善

衣服に使われるポリエステルは合成繊維とよばれるもの。合成繊維は天然繊維と比べてデメリットな要因もありますが、メリットもたくさんあります。

通気性が少ない

デメリットは通気性がないこと。コットンのような天然素材と比べると吸湿性がとても低く、汗を発散させられず湿気がたまりやすいです。

しかし、現在では水分発散性の高いポリエステルも開発されています。
このポリエステルは汗をかくときに着るような、スポーツウェアやレジャーウェアにも使われています。

着たときにチクチクする

敏感肌の方はポリエステルに限らず合成繊維服を着ると、チクチクしたりするかもしれません。
ただ混紡の場合は感じることは少ないと思います。ポリエステル100%のものでないかチェックしましょう。

静電気が起きやすい

ポリエステル繊維は水分を含まないので、静電気が起きやすいです。
ただし、糸に工夫したり後加工でデメリットを解消し、静電気防止加工をされているものもあります。
何もしてないポリエステル糸にはそのような機能はないので、気になる時は加工されているものかどうか確認してみましょう。

通常のポリエステルの場合でも、静電気防止アイテムを利用したり、洗濯の際に柔軟剤を使うことで静電気防止になります。

ポリエステルは環境に悪い?

プラスチックで作られるポリエステルは環境に悪いというイメージ。確かにプラスチック単体では堆肥化(土で分解されること)できず持続不可能な素材です。

ただし、ペットボトルはポリエステル生地にリサイクルされます。

科学が日進月歩で進み、ポリエステル=粗悪品ということは少なくなってきました。そしてたくさんの機能をもったポリエステル素材のものが誕生しています。

服の繊維の半分以上は合成繊維で、その中心にあるのはポリエステル。避けようとして選ばないとなかなかポリエステルから逃れることはできなそうです。
合成繊維は天然繊維の風合いとはどうしても異なります。ただメリットも多くあります。
利便性や愛着など、自分が重要とすることも考えながら商品選びの参考にしてください。

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Posted by freeen