線引きできないこともある
名は体を表すと言います。例えば草食動物のシマウマ。
あの特徴的な白黒縞模様を見れば、「シマウマ」という名前は彼らのためにあるようなものだと納得できます。
シマウマのシマ模様はタテ?ヨコ?
そのシマウマのあのシマ模様。タテ縞なのかヨコ縞なのか改めて考えてしまいました。
皆さんはどう思いますか?
そりゃあ見たとおりタテだろう、いやいやそう思わせておいてヨコじゃないのか。
人によってさまざまな意見があるでしょう。
…実はあの縞模様、ヨコ縞なのだそうです。
模様の定義というものがちゃんとありました。
「背骨と平行に走る線がタテ縞、垂直に交わる線がヨコ縞」
ということです。
シマウマは実はロバ
紛らわしい柄をしているシマウマですが、紛らわしいついでにもう一つ雑学。
実はあのシマウマ、「ウマ」と名前がついていながら、本当は系統的にウマとは疎遠で「ロバ」の方が近縁。シマ模様のあるロバなのです。
もうタテなのかヨコなのか、ウマなのかロバなのか。
ボーダーはストライプ
シマウマのように、ややこしいのは何も動物の世界だけとは限りません。
私たちはヨコ縞をボーダー、タテ縞をストライプといった具合に、柄によって呼び方を変えています。
ところがこの呼び名、ヨコ縞を意味する「ボーダー」は、英語圏では柄を表す言葉として通用しません。
英語で縞は「ストライプ」。タテだろうがヨコだろうがナナメだろうが、縞模様といえば「ストライプ」一択です。

「ボーダー」とは境界線や国境線、ヘリ、縁、端といった意味合いが強く、模様を表す言葉とは捉えられていません。
これから英語圏に行かれる方、縞模様と接する際にはどうぞお気を付けて。
日本の「ボーダー」の意味で使ってしまうと、思わぬところで誤解を招いたり、意思疎通が難しい場合があるかも。
定義で線引きできないこともある
シマウマの柄にしろボーダーの意味にしろ、定義されているからといってそれをそのまま受け入れるには少々抵抗がある、という方も多いでしょう。
それもそのはず、今まで自分の中で正解だと思っていたことが急に不正解だといわれたら、誰だって納得しづらい。「本当に不正解か?」と疑いたくなります。
少なくとも日本では、ヨコ縞がボーダーでタテ縞がストライプで通じますからね。
そうなると、理性の部分では納得しても、感情の部分では違う答えを探してみたくなるというもの。
この葛藤こそが、正式な定義が浸透していかない理由なのかもしれません。