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キュプラは高級な再生繊維

2023/09/27

キュプラはシルクのような光沢があり、肌触りが非常にいい高級な素材です。お高めの服にもよく使われます。

綿や麻、ポリエステルなどと比べるとマイナーな素材で、キュプラ生地のアイテムをわざわざ探すことはないかもしれません。

ただ買った服にキュプラが使われていた場合、お手入れや扱い方に注意が必要です。
洗濯したらダメになってしまった…ということにならないように、キュプラの特徴とお手入れについてご紹介します。

キュプラとは

キュプラは再生繊維の一つで、原料をそのまま使うのではなく化学薬品で溶かして繊維にしたものです。

キュプラという名前は製造法から付けられています。
キュプラは原料を「銅アンモニア液」で溶かして作られます。そのため化学的な名称として「銅アンモニアレーヨン」ともいわれます。
「銅アンモニアレーヨン」は英語で「cuprammonium rayon」。ここから「cupra(キュプラ)」と名付けられています。

キュプラはとても細かい繊維で光沢のある生地を作ることができ、スベリの良い肌触りや機能性にも優れています。そのため薄手の高級織物、スーツやコートなどの裏地に使われることも多い素材です。

シルクと特徴が似ていますが、シルクは蚕の繭から作られる天然繊維で作られた生地のことを指します。

原料はコットンリンター

キュプラの原料はコットンリンターです。

コットンリンターは綿の実から綿花の綿毛をとった後、種の周りについているうぶ毛のことです。これを銅アンモニア液で溶かしてキュプラ繊維が出来上がります。

再生繊維は環境に考慮した材料を使って作られます。コットンリンターは繊維が短く、これだけで糸をを作ることができません。そこで化学製法を利用することで糸を作れるようにしています。
こういった資源の有効活用の他、土に埋めると自然分解され、燃やしても有害ガスの発生はほとんどないそうです。キュプラは環境にも配慮された再生繊維です。

参照 : 旭化成、サステナブルな繊維でSDGsに貢献 | 日経ESG

ベンベルグとレーヨンとキュプラの違い

キュプラと似ている素材、でも名称が違うため混乱する人もいるかと思います。ベンベルグやレーヨンがキュプラと何が違うのでしょうか。
実はこれらは別物というわけではなくそれぞれ関連しているものです。

キュプラはレーヨンの一種

レーヨンというのは一種類の生地のことだけではなく、原料や製法の違いによってさらに種類が分けられており、キュプラはそのうちの一つです。

一般的にレーヨンというものは「ビスコース・レーヨン(ビスコース)」を指すことが多いです。
そしてこのビスコース・レーヨンは木材パルプから作られるため、キュプラとは原料が異なります。

ビスコースもキュプラも同じシルクを目指した再生繊維ですが、キュプラはビスコースレーヨンより繊維が細くキュプラの方がなめらかさがあります。

「水に弱く伸縮性が低いためシワになりやすい」というデメリットは同じですが、2つの繊維で比較すると、キュプラの方が水に強くシワになりにくいです。

ベンベルグは商標名

ベンベルグはキュプラのブランドとも言えます。「ベンベルグ」という名前は旭化成(株)の商標名なのです。
キュプラ繊維「ベンベルグ」「bemberg」サイト|旭化成株式会社 繊維事業

ドイツのベンベルグ社が工業化し、その後旭化成が技術機会導入を契約、そしてベンベルグの生産が日本で始まり今に至ります。
【参照】ベンベルグヒストリー | 旭化成株式会社 繊維事業

旭化成が製造している「キュプラのブランド」が「ベンベルグ」です。あくまで商品名なので洗濯・品質表示には「キュプラ」の名称が使われます。
※キュプラ(ベンベルグ)と表記されていることもあります。

キュプラは高級

キュプラは着やすさや肌触りの良さから裏地によく使われ、高級なスーツかどうかは裏地の素材を見ると分かります。

キュプラは作る工程が大変なため、どうしても製造コストが高くなります。染色もしっかりした技術がないと難しいようです。
参考記事 : 最高級裏地キュプラ(ベンベルグ)専門の綛染め | 山梨ハタオリ産地の今を伝える ハタオリマチのハタ印

キュプラを使うとコストが高くなってしまうため、ポリエステルに代替されることも少なくありません。同じような肌触りと見た目を叶えることができ安価だからです。
キュプラの価格は普通のポリエステルの4〜5倍とも言われます。

キュプラがポリエステルに劣ってしまう部分は「丈夫さ」と「価格」ですが、吸湿性があり触り心地や着やすさは抜群、光沢があり見た目の印象も良い。キュプラは価格の高さに恥じない、とても優秀な素材です。

キュプラの特徴

コットンリンターを原料とするキュプラはコットンの性質を持っています。そこにさらに再生繊維の機能性が追加されたような特徴です。

メリット

  • 吸放湿性があり、静電気が起きにくい
  • 絹のような光沢と柔らかく、しなやかな肌触り
  • ドレープ性がある

吸湿・放湿性がいい

吸湿・放湿性が優れていると、湿気を吸い取って吐き出してくれます。このおかげで蒸れやベタつきを抑え、さわやかな着心地に。静電気が起きにくいのもポイントです。

蒸れ感が少ないので、寝具がこの素材だと快適です。

ベッドで寝る女性

軽くてさらりとした快適な着心地で人気のユニクロのエアリズムにもキュプラが使われています。シルキーな肌ざわりと汗で服がはりつかない快適さにキュプラが一役買っていることでしょう。

光沢のある見た目と肌触りの良さ

キュプラの糸は丸く細いので、やわらかくしなやかな肌触りになります。

触り心地がいいのはもちろん、肌への刺激が少ないこともメリット。すべりがいいので着脱はひっかかりがなくスムーズ。こういったことから裏地やインナーにもよく使われます。

ドレープ性できれいなシルエット

ドレープは、「布が自然とたるむ優美な様子」とういう意味で使われます。ゆったりと優美にまとわせるものを「ドレープ性がある」といいます。

このドレープ性があることできれいなシルエットの服が出来上がります。

デメリット(注意点)

  • 水滴によって水シミができやすい
  • 摩擦に弱く毛羽立ちやすい
  • 伸縮性が低くシワになりやすい

水滴・水汚れに注意

キュプラは吸水性が良いため、水を含んだ部分が膨らみます。その膨らんだ部分が光の反射によってシミのように見えてしまいます。

摩擦による毛羽立ち

ビスコースレーヨンより耐久力や耐摩耗性が高いともいわれますが、それでも摩擦に強いわけではありません。摩擦によって毛羽立ちます。

ゴシゴシ洗ったり固く絞ってはいけません。シミなど汚れがついた場合、こすらずに乾いたタオルで叩いて吸い取るようにします。

シワができやすい

伸縮性がないためシワになりやすいのですが、熱にもあまり強くないためアイロンをかける際も注意が必要。

アイロンがけの際は、当て布をして低温〜中温(120°C以下)でかけるようにしましょう。

水洗いできるものはスチームアイロンを使用してもOKです。

水に弱いキュプラの洗濯方法

キュプラ素材の衣服や布は、水に弱く縮みやすいため、家庭洗濯機で洗わない方がいいものがほとんどです。必ず洗濯表示をチェックしましょう。

できればドライクリーニングが無難で安心です。

プロモーション

他の素材と混ぜて作られていることもあるので、キュプラが含まれているから絶対NGというわけではありません。

基本的には水洗いが難しい素材ですが、洗濯表示に「手洗い可」とあればお家で洗濯もOK。お家洗濯の場合、ゴシゴシ洗ったり長時間水につけてしまうことは避けましょう。

洗濯機は使わず手早く手洗い

もし家庭で洗濯する場合は、洗濯機は使わず手洗いにしましょう。
水に長時間つけないこと、摩擦を極力加えないことを意識して、3分ほどを目安に手早く行います。

準備するモノ

  • 中性洗剤
  • 洗濯ネット
  • タオル

30°Cくらいのぬるま湯に中性洗剤を溶かして優しく洗います。こすらないように洗うのがポイントです。

「押し洗い」消費者庁イラスト集より

すすぎも同じ温度のぬるま湯で。こちらもこすらず押してすすぐようにしてください。
脱水は大きいタオルでおさえるようにして水分をとり、陰干しで干します。

「タオルドライ」消費者庁イラスト集より
「陰干し」消費者庁イラスト集より

手早く押し洗い、そんなに汚れが気にならないようであれば「振り洗い」がおすすめです。タオルでしっかり水分を取るようにして脱水することも注意点です。

素材のことを知ってアイテム選びの参考に

キュプラの品質は確かなものです。なぜ高いのかといったことも知っておくと、モノを選ぶときの参考になると思います。

欲しいものが高いなー…と思ったら素材をチェックしてみてください。素材について知っていると納得できることもあります。またより一層、大切にしようという思いもでてくるはず。

ぜひ素材のことを知ってアイテム選びに磨きをかけてください。