キュプラは高級な再生繊維

キュプラ生地

キュプラは再生繊維と呼ばれる化学繊維の一つ。
キュプラ、ベンベルグ、銅アンモニアレーヨンなど、キュプラを指す名称はいくつかあります。

「キュプラ」は製造法にちなんだ名称。
原料を銅アンモニア液で繊維を溶かして糸を紡いで作られます。
化学の言葉で「銅アンモニアレーヨン」ともいわれます。
「銅アンモニアレーヨン」は英語で「cuprammonium rayon」。cuprammoniumは銅アンモニア法。この製法で作られるため「銅」という意味の「cupra」をとって名付けられています。

「ベンベルグ」は旭化成の商標名です。
キュプラ繊維「ベンベルグ」「bemberg」サイト|旭化成株式会社 繊維事業

旭化成のキュプラ繊維の商品がベンベルグ。あくまで商品名なので品質表示には素材の「キュプラ」の名称が使われます。

キュプラはとても細かい糸ができ、光沢があります。
絹に似ており、肌触りや機能性の良さから薄手の高級織物、スーツやコートなどの裏地に使われることも多い素材です。

レーヨンとの違いとキュプラの原料

キュプラもレーヨンも天然素材を材料に、化学薬品で溶かして繊維にする(再生繊維)ことは同じで性質もよく似ています。

ビスコースとは?レーヨン素材を詳しく知る

大きく異なるのは素材。キュプラの主原料はコットンリンター。レーヨンは木材パルプが原料。

コットンイラスト

キュプラはレーヨンより繊維が細く、レーヨン同様シルクのような光沢があります。
なめらかさはキュプラの方が優れます。
どちらも水に弱く伸縮性が低いためシワになりやすいというデメリットがあります。
レーヨンとキュプラだけで比べると、キュプラの方が水に強くシワになりにくいです。

コットンリンター?

コットンリンターは綿の実から綿花の綿毛をとった後、種の周りについているうぶ毛。 (2~6mmの繊維)
キュプラはこれを銅アンモニア液で溶かして糸にします。

綿の種子のうぶ毛から形を変えて糸にするので再生繊維といわれます。

綿は天然素材です。ポリエステルのような合成繊維とは異なり、土に埋めると自然分解されるので環境に優しい素材でもあります。

キュプラの特徴

メリット

  • 吸放湿性がある
  • 絹のような光沢がある
  • ドレープ性がある(柔らかく、しなやか)
  • 染色性がよく、色がきれいに染まる
  • 静電気が起きにくい(糸の水分率が高いため)

吸放湿性が優れていると何が良いか。
湿気を吸い取って吐き出してくれるので、ムレやベタつきを抑え、さわやかな着心地を保ってくれます。

キュプラ糸は丸く細いので、柔らかくしなやかな肌触りになります。

※ドレープは、「布が自然とたるむ優美な様子」とういう意味で使われます。ゆったりと優美にまとわせるものを「ドレープ性がある」といいます。

柔らかくしなやかなドレープ性があることで肌への刺激が少なくなります。肌を傷つけにくく、ダメージが少ないことは敏感肌の方にとって大きなメリットです。

特長|ベンベルグとは|ベンベルグ|旭化成株式会社 繊維事業

デメリット(注意点)

  • 水滴によって水シミができやすい
  • 摩擦によって毛羽立ちやすい
  • シワになりやすい(伸縮性が低い)

吸水性が良いため、水を含んだ部分が膨らみます。その膨らんだ部分が光の反射によってシミのように見えます。

ビスコースレーヨンより耐久力や耐摩耗性が高いともいわれますが、それでも摩擦に強いというわけでもなさそうです。摩擦によって毛羽立ちは起こります。
ゴシゴシ洗ったり固く絞ることはNG。
シミなどがついてしまった場合は、こすらずに乾いたタオルで叩いて吸い取るようにします。

伸縮性がないためシワになりやすいのですが、熱にもあまり強くないためアイロンをかける際も注意が必要。
アイロンがけの際は、当て布をして低温〜中温でかけるようにしましょう。

キュプラ素材の衣服や布は、水に弱く縮みやすいため、家庭洗濯機で洗わない方がいいものがほとんどです。洗濯表示をチェックしてみてください。

洗濯はドライクリーニングが無難で安心です。

キュプラの洗濯

洗濯表示に手洗いが可能とかいてあればお家で洗濯も可能です。(ダメならクリーニング屋さんにお願いしましょう)
その際ゴシゴシ洗ったり、長い時間かけてしまうのはNG。

洗濯機は使わず手早く手洗い

もし家庭で洗濯する場合は、洗濯機は使わず手洗いにしましょう。
水に長時間つけないよう、3分ほどで手早く行います。

洗濯方法

準備するモノ

  • 中性洗剤
  • 洗濯ネット
  • タオル

30°Cくらいのぬるま湯に中性洗剤を溶かして優しく洗います。(こすらず押し洗い)
すすぎも同じ温度のぬるま湯で。(こちらもこすらず押してすすぐ)
脱水は大きいタオルでおさえるようにして水分をとります。
干すときは陰干しで。

キュプラはお値段高め?

種の周りについたうぶ毛をとってそれを科学溶剤で溶かして糸にして紡ぐ。
この製造工程って大変なんです。なので製造コストが高くなります。

そのためキュプラは同じような肌触り、見た目を実現でき、安価なポリエステルに代替されることも少なくありません。

価格は普通のポリエステルの4~5倍とも。
触り心地は抜群、染色性が良く光沢があり見た目の印象も良い。それだけキュプラは優秀な素材です。

なぜ高いのかも知っておくと、モノを選ぶときの参考になるはず。

欲しいものが高いなー…と思ったら、素材も確認してみてください。素材について知っていると納得できることもあります。
素材の価値も知ってモノ選びを楽しんでください。

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Posted by freeen