ポリエステルはどう洗濯する?おさえておきたい洗濯注意事項
2022/05/30
ポリエステルは丈夫でシワになりにくい素材で、比較的洗濯に強い素材です。
しかし、生地の厚さや形などによっては傷みやすい場合もあります。またドライクリーニングのみ可能なものもあったりするので、一概にポリエステルが全て家庭用洗濯機で洗えるわけではありません。
ポリエステルには汚れを吸収しやすく落ちづらいという性質もあるため、洗濯をするときはこれらの性質があることを思い出して、気をつけてもらえたらと思います。
ポリエステルは洗濯しやすい素材
ポリエステルは石油から作られる合成繊維のひとつ。軽量で丈夫、耐久性や速乾性があり、色落ちもしづらいので、洗濯しやすい素材といえます。
丈夫でシワになりにくくお手入れが簡単
糸一本一本が丈夫で切れにくいため、あらゆる耐久性に優れていることもポリエステルの特徴です。縮み・伸び・摩耗に強く、熱にも強い。
繰り返し洗濯しても縮んだり型崩れすることはほとんどありません。
ポリエステルは「形状記憶性」が高い素材です。そのためシワになりづらく、型崩れ・着崩れが気になりません。長い期間同じシルエットで愛用でき、洗濯後のアイロンがけは不要なことがほとんど。
熱可塑性(熱によって作ったデザインを固定させる)という性質をもち、プリーツ加工やエンボス加工など、何かしらの形(デザイン)を固定させることができます。
ポリエステル100%にすれば恒久的なプリーツも作れてしまいます。
色落ちもしづらい
ポリエステルの染色は130°C以上の高温で行われます。
染色できる温度が脱色できる温度と言われているので、同じだけ高温にしないと色が抜けることになります。
通常の洗濯・乾燥ではそうそう色あせしません。
ただし洗剤との相性によっては色落ちすることもあるので、絶対ないとも言い切れません。
【参照】ポリエステルの色あせを防ぐ方法とは?正しい扱い方をご紹介!|帝人フロンティア
耐候性があり劣化しにくい
ポリエステルは耐候性もあります。日焼けが起こりにくく、長期間外気に触れても劣化しないのでアウトドア用品にもよく使われます。
これは光を通しづらく、紫外線を遮蔽(しゃへい)しているためです。屋外の活動が多い場合にとても重宝される機能です。
手洗いにした方がいい場合もある
ポリエステルはそのまま洗濯機で洗ってもいいのですが、注意した方がいい場合もあります。
- 薄い生地
- 装飾が多い生地
- 生地にポリエステル以外の素材が入っている
生地が薄かったり装飾が多くあるものの場合、洗濯機の強い遠心力で洗ってしまうと、傷んでしまったり装飾がとれやすい可能性があります。
この場合、手洗いの方がダメージを少なくできます。
ポリエステル以外の素材が混じっている場合、特に水に弱い素材が合わさっている場合は水につける時間を少なくするようにします。
洗濯時間を短くするか、手洗いでさっと洗うようにした方がいいでしょう。
ポリエステルの洗濯の注意点
洗濯表示をチェック
ポリエステルそのものは丈夫でお家での洗濯でも問題ないことがほとんどですが、混紡している素材や加工によっては注意すべきことがあります。必ず洗濯表示を確認しましょう。
水洗いマークや手洗いマークがあれば家庭洗濯OK。ドライ表示しかない場合は、クリーニング店に出しましょう。
大切なアイテムはネットに入れる・洗濯コースを変える
大切なアイテムの場合、洗濯ネットに入れて負荷を減らしましょう。
ポリエステルは毛玉ができやすいという欠点もあるため、洗濯ネットでそれも軽減できます。
水洗い可能であれば通常コースでも問題ありませんが、負荷を減らすなら「ドライコース」や「おしゃれ着洗い」といったコースで洗うのをおすすめします。
水洗い可能であれば通常コースでも問題ありませんが、負荷を減らすなら「ドライコース」や「おしゃれ着洗い」といったコースで洗うのをおすすめします。
汚れの強いものと一緒に洗わない
ポリエステルには「逆汚染」といわれる性質があります。これは洗濯中に「他の汚れを吸収してしまう」というものです。
ポリエステルは汚れを吸着しやすい素材です。汚れが強いものと一緒に洗濯すると、その汚れを吸収してしまうことがあります。そしてその汚れは取れづらく、シミになりやすいです。
ひどく汚れているものと一緒に洗ってしまうと、その汚れを吸い込んでシミになってしまいます。
ポリエステル衣類は放置せずすぐに洗濯、そして汚れが強いものとは別々に洗いましょう。
洗濯機に入れる前にシミを落とす
汚れが落ちにくいのもポリエステルの性質で、一度汚れがついてしまうと取るのが難しくなります。
目立つシミがある場合は先にシミを落としましょう。シミの部分にポイントで洗剤をつけ、もみ洗いします。
静電気防止に柔軟剤を
ポリエステルは静電気を起こしやすく毛玉ができやすい素材です。
静電気を防止するには柔軟剤が効果的。洗濯の際にはぜひ投入してください。
洗濯の際は洗濯物を詰めすぎないようにしたり、洗濯ネットを使用すること、連続での着用を避けたりと、少し気を付けることで毛玉ができづらくなります。
脱水は短時間
シワにはなりにくいポリエステルですが、長めに脱水をかけてしまうとシワができ安いです。
速乾性があり、乾きやすいのもポリエステルの特徴なので、短い時間の脱水でも水が垂れることもありませんし、十分乾きます。
乾燥機をできるだけ使わない
基本的に乾燥機はかけない方がいいです。
ポリエステルは熱に強いものの、乾燥機は苦手でシワになってしまいます。
ポリエステル自体は乾燥機で溶けることはないものの、プリント地の部分は、熱で接着剤が溶けてしまったり、劣化してベタベタすることがあります。
長時間高温の温風に当てていると生地が傷みやすくなりますし、縮んでしまう可能性も大いにあります。
できるだけ乾燥機は使わないようにしましょう。
どうしても使いたい、という場面がある時はできるだけ短時間に。
生地は温風を当てたあと冷却される時にも縮みます。これを防ぐためにも乾燥機が終わったらすぐに取り出して形を整えて干します。
アイロンは必ず当て布を
シワになってもアイロンで伸ばせばいいのでは?と思うかもしれませんが、アイロンをかける際も注意が必要です。
ポリエステルは熱でテカリが出てしまうことがあるためです。
取扱い表示を確認して、アイロンOKなら中温以下で当て布をしてかけるようにしてください。
丈夫なポリエステルですが、弱点もあります。大切なアイテムを長持ちさせるためにも素材のことを知って、お手入れしてあげてください。