ストライプとアート

芸術家たちは作品を介して、私たちに魔法をかけます。
興奮、憧憬、悲哀、希望。
さまざまな感情を刺激するその魔法は、明るい光の下で見る白昼夢のように、リアルとフィクションの境界線を曖昧にします。
一瞬にして別世界に連れられたような混乱と心地よさ。
私たちはその魔法にかかりたくて自分の感性に合う作品を探すのかもしれません。

絵画や写真、造形など、数多くの芸術作品に多用されているストライプやボーダー。

特に20世紀前期に生まれたモダンアートといわれる作品の中には、縞模様のコラージュが目立ちます。

アーティストたちが作品の中に縞模様を用いるのはなぜか。それは模様の持つ引力の強さに他なりません。シンプルなテクスチャだからこそ、創る者には強いインスピレーションを、見る者には唯一無二のインパクトを与えるのです。

単純な線の繰り返し、それは一見、平面的な世界を表しているように見えます。しかし、実はその繰り返しこそが無限の広がりを表現しているのです。

連なる線を見続けるうちに起こる錯覚は、時に私たちを忘我へと誘います。我を忘れた先にあるのは、ある種のトランス(恍惚)。現実から意識を離すことで得られる浮遊感や幸福感、そして広大な空間の存在を、あの単純な線のパターンがもたらしてくれるのです。

トランス状態への一番の近道は、「繰り返すこと」。単純で単調な繰り返しは、思考と感覚を麻痺させるのに最も効果的とされています。

たとえば音楽。

ハウスから派生したトランスミュージックは、クラブシーンを中心に世界中で支持を集め、一大ジャンルとしての地位を確立しました。

クラブシーン

美術の分野でも、トランスは創造力を掻き立てる重要なファクターとして、さまざまなアーティストたちの作品に登場します。そしてそのトリガーとなる重要なモチーフこそが、線と線の織りなす縞模様なのです。

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Posted by freeen