
ツイル生地とは?身近にある綾織りを知ろう
2023/10/13
「ツイル」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、ツイル生地が使われているアイテムを持っている人は少なくないはず。
ツイルは布の織り方のことで、代表的なものにデニムがあげられます。ある程度固さがあり、シワになりにくいため丈夫で使い勝手のいい生地でもあります。
ぜひツイルがどんな生地なのか、特徴を覚えてアイテム探しに役立ててください。
ツイルとは
生地の織り方は、平織り・綾織り・朱子織り(繻子織り)3種類あって、これを三原組織と言います。
ツイルとはこの中の「綾織り」のことを指しています。綾織りを英語でツイル(twill)と言います。

織り方と素材の名称を合わせて、コットンツイルやリネンツイルなどとも言われます。
ツイルで作られる生地の種類
ツイル(綾織り)によって作られる生地にはさらに種類があります。ツイルという言葉よりもデニムやツイードといった方がよく聞くかもしれません。
デニム、ツイード、ダンガリー、サージ、チノクロス、ギャバジン、カルゼ、フランネル、バーバリー、ドリル、など。
これらはそれぞれに違いがありますが、基本の織り方はツイルなので共通した特徴があります。
ツイル生地の特徴
- 表面に斜めのスジが入っている
- 伸縮性に優れ、厚めの生地でも柔らかさを出せる
- シワになりにくく手入れが簡単
- 摩擦に弱い
見た目の特徴として表面に斜めのスジが入ることがあげられます。
綾織りはたて糸とよこ糸を互いに2本以上間をあけて交差させる織り方のため、浮いているラインと凹んでいるラインが交互にあり、斜めの線ができるのが特徴です。

伸縮性に優れ、厚めの生地でも柔らかさを出せる
丈夫な生地を作るならやはり厚みが合った方がいいです。糸の太さや織りの密度によって生地の厚みが変わります。
平織りだと糸の太さや密度を高めると、とても固い生地になってしまいますがツイルなら比較的やわらかくなります。そのため、デニムのような厚手のイメージのものでも動きやすい服が作れるということですね。
もちろんデニムだけでなくさまざまなアイテムに使用されています。
動きやすく長く着たい服にはツイルがぴったり
ストレッチ素材を使わなくても伸縮性があり着やすい、厚手で強度もある。ツイルは耐久性もしっかりあるため長く着たい服にぴったりです。
長く着続ける代表アイテムはデニムやジャケット、コートといったアウターがあげられます。


しっかりしたアウターでも着やすいのは、ツイルが厚い生地でも柔らかさを保てるため。
動きやすいコートかどうか編み目で分かります。購入前に確認してみてください。
素材の肌触りと光沢感でカジュアルからフォーマルまでOK

滑らかな肌触りで感触が良く、さらに光沢感もあるのがツイルの特徴です。
この質感があるためドレスやジャケットなどのフォーマル服にも使われます。
上品なワンピース気分の時もおすすめです。
シワになりにくく手入れが簡単
面倒なアイロンがけから解放してくれるシワのつきにくさも、ツイルのメリットです。

シワになりやすいシャツやブラウス。フォーマルでかっちりした印象を持ちたいときや、きれいめコーディネートの時はシワがない方がしっかり決まります。
でもアイロンがけは面倒…そんなあなたにシワのできにくいツイルで作られたアイテムをおすすめします。
シワができるかどうかは素材でも異なる
ツイルはシワができにくい織り方ではありますが、素材によってシワができやすくもあります。
コットンやリネン、レーヨン(キュプラ)といった素材はシワになりやすいので注意。同じ素材の平織りと比較してシワになりにくい、という感じですね。
ポリエステルやナイロン素材を使ったツイル生地の方がシワになりにくいので、「シワ」を気にする場合は素材もチェックしてください。
摩擦に弱い
ツイルの弱点として摩擦に弱いことがあげられます。
デニムはダメージも味を出したりしますが、そうでないアイテムの場合は気をつけていきたいところです。
きれいに着続けたいアイテムは洗濯に注意していきましょう。
ツイル生地のお手入れ
ツイル生地は気兼ねなく洗濯機で洗ったり乾燥機もアイロンもOK。ただしこれは素材によっても異なるので品質表記はちゃんと確認してくださいね。
シワになりにくいのでアイロンがけはそんなに必要ないと思いますが、かけるときは120°くらいが目安です。
摩擦ダメージを裏返してネットで軽減
摩擦に弱いツイルは強くこすってしまうと破れてしまうことも少なくありません。ダメージデニムのように、あえてダメージをつけたい場合にはいいのですが、そうでなければ注意が必要です。
ダメージを抑えて洗濯したい場合は、裏返してネットに入れるようにしましょう。
生地を知ってさらに着こなしアップ
生地についての知識が深められると、アイテム選びに磨きがかかります。シーンによって使い分け、快適でおしゃれにファッションスタイルを楽しめます。
ぜひ生地のことを知って着こなしをレベルアップさせてください!