モダールとはどんな素材?レーヨンとの違いを知る
2023/09/21
モダールはシルクのような光沢となめらかさ、吸湿・放湿性・保温性の良さがあります。
木材パルプが原料で燃やしても有害物質がほとんど出ない、環境に優しいエコ素材。
このような特徴を見ると、「レーヨン」を知っている方は、モダールとレーヨンは何が違うの?と思うかもしれません。
モダールとはどんな素材か、レーヨンとの違いを紹介していきます。
モダールとレーヨンと違い
【レーヨンとモダールの共通点】
- 木材パルプが原料の再生繊維
- シルクのような光沢感となめらかな手触り
- 吸湿性・放湿性に優れる
【レーヨンとモダールの違い】
- モダールはレンチング社の商品名
- モダールは「ブナ」の木のみを原料としている
- モダールはレーヨンより水に強く、シワや縮みが少ない
簡単に言うと、素材を限定した水に強いレーヨンがモダールです。
レーヨンもモダールも木材パルプを原料にした再生繊維(原料を化学処理して作った繊維)で、モダールはレーヨンの一種です。
レーヨンにはいくつか種類があり、それぞれ特徴があるのですが、品質表示ではレーヨンとしか書かれていない場合もあります。「レーヨン(モダール)」と書かれることもあります。
レーヨンの種類にこだわりたい方は商品名や商品説明などで詳細をチェックするようにしましょう。店頭販売ならもちろんお店の方に聞くのもありです。
モダールはレーヨン素材の商品名
モダールはオーストリアの繊維メーカー、レンチング社が商標登録をしています。(登録商標は「Lenzing Modal(レンチングモダール)」)
レンチンググループとして世界各地に支店や工場があり、環境に優しい繊維製品の開発・製造を行っていて、代表的なものにテンセルやモダール(テンセルブランドとして一本化)といった商品があります。
TENCEL™ Official Site: Lyocell fibers, Modal fibers, Soft Fabric Textile
また製品を販売するだけでなく、環境に優しいものを使って環境を守る活動への参加も呼びかけています。
こういった環境に配慮している会社の商品を使用するというのも、私たち消費者ができるサステナブルの取り組みの一つです。
原材料を限定
レーヨンは不特定の木材が原材料ですが、モダールは「ブナ」という木の種類に限定されています。
コットン以上の吸湿性があり、しなやかで羽毛のようなソフトな風合い、発色の良さや他の素材との混紡のしやすさも特徴です。
モダールはレーヨンの欠点を克服
レーヨンの美しさと機能を持ちつつ、レーヨンの弱点である「水に弱い」ことを克服した素材です。
水れに濡れると強度が落ちるのがレーヨンの欠点ですが、モダールはこれを克服。モダールは濡れてもそれほど強度が落ちません。
また、レーヨンは洗濯すると縮みやすいというデメリットもありますが、モダールはレーヨンに比べて収縮が小さいのも特徴です。
【参考 : 実際にモダール製品を着用してみた方の記録】
無印良品*4ヶ月目レポ、コットンモダールという素材について。
光沢感や手触りの良さがあり快適な着心地、加えてお手入れもしやすいので綿や麻などと混紡したアイテムが多く販売されています。
混紡生地でより良い着心地
レーヨンに比べれば丈夫でシワや縮みができにくいですが、全く気にならないというわけではありません。
こういった点からも混紡されて使用した方が、それぞれのメリットを活かせます。
モダール100%の生地もありますが、綿やリネンといった素材と混紡されることも多いです。
綿とモダール(コットンモダール)
麻とモダール(モダールリネン)
合成繊維(ポリエステルやポリウレタン)とモダールなど
他の素材と混紡することで、生地の強度を上げたりなめらかさをプラスすることができます。
モダールとシルク
化学繊維というのはそもそも天然繊維の代用として誕生した歴史があります。
レーヨンはシルクの代替として誕生し、そのレーヨンをより良くしたのがモダールです。
シルクは値段が高いということもありますが、素材によっては肌に合わないこともあります。
また「動物性」という理由から使用を控えたいという方もいらっしゃるでしょう。
シルクが合わない人、使いたくない人はレーヨンやモダール製品を使用するのもおすすめです。
モダールのお手入れ
モダールは家庭用の洗濯で洗えることがほとんどで、レーヨンよりお手入れに気を使わなくてもOK。
ですが、やはり長持ちさせるためには気をつけたいところもあります。また、クリーニングに出した方が良いものもあるので洗濯表示は確認してください。
混紡素材の場合は普通コースでも問題ありませんが、モダール100%の場合、シワを極力減らすために脱水時間を少なくしてハンガーで干します。
なめらかな素材のため、ハンガーから落ちやすいので滑り落ちないハンガーを選ぶように。
生地の表面が毛羽立たないように裏返しにして洗濯ネットに入れましょう。型崩れの気になるものは特に洗濯ネットが必須です。
薄手のものはおしゃれ着洗いのコースで中性洗剤を使用しましょう。色落ちが心配な濃色のものは他の洗濯物とは別洗いするのがベター。
漂白剤を使用する場合は、非塩素系を使用します。
乾燥機は低温で。
アイロンは中温が目安で当て布をした方が安心です。
自分に合う素材なら積極的に取り入れてみる
モダール製品はレーヨンや綿、他の化学繊維などと比べて商品数が少ないのが現状です。
なかなか「モダール」という素材だけで気に入る商品を見つけるのは大変かもしれません。
いいな、と思った商品にモダールが使用されているのであれば積極的に購入を検討しても良いと思います。
モダールは服に限らず寝具で使うのもおすすめです。
モダールのドレープ性を活かしたワンピース。
MOTF PREMIUM モーダル ラップ タイバック ドレス
吸湿性や肌触りのよいモダールは肌荒れしづらく、下着やパジャマなどにもおすすめです。
モダール生地のストールも人気です。染色性が良いのできれいな色でカラーバリエーションが豊富、暖かさもあるので高く評価されています。
【UNFIT femme】マイクロモダールシルクフリンジストール
とても細い繊維で密に編まれた「マイクロモダール」。よりやわらかくしっとりしているのが特徴です。