再生繊維とは?エコな化学繊維の種類と特徴 | freeen

再生繊維とは?エコな化学繊維の種類と特徴

2022/06/22

再生繊維は原料となるセルロースを溶かし、新たに再生させた繊維のこと。文字通り、再生して繊維を作るので再生繊維と言います。

天然材料を原料として使うこともあれば、化学材料を使うこともあります。

再生繊維は化学繊維の一つ

繊維は大分類すると、植物の葉や茎、動物の毛から採取する天然繊維と、人工的に繊維を作り出す化学繊維に分けられます。
この化学繊維の中に再生繊維も含まれます。

再生繊維の特徴と種類

再生繊維にはいくつか種類がありますが、それぞれ同じ特徴として、肌触りが良く、他の化学繊維に比べて吸湿性が高いことがあげられます。

合成繊維は主に石油を原料として人工的に作られます。強度が高く、安価に作れるため、私たちが普段目にする服は合成繊維で作られるものが多いです。

再生繊維の主な原料はセルロースで、木材パルプ(木の屑)や綿花などから採取します。

セルロースはそのまま繊維にすることができないため、化学薬品で一度溶かして繊維状にします。
このようにして再生することから「再生セルロース繊維」とも呼ばれます。

再生繊維の種類と特徴

再生繊維の中でもいくつか種類があります。

  • レーヨン
  • キュプラ(ベンベルグ)
  • ポリノジック
  • リヨセル(テンセル)
  • モダール
  • ポリエステル繊維

基本的には木材を原料として繊維に再生させたものが多いですが、使用済みのペットボトルを原料としたポリエステル繊維も再生繊維の一つです。

化学繊維であるものの、天然の素材を原料としたり、すでにあるものを再生利用するため、環境に優しいという点も特徴の1つです。

再生繊維共通のメリット・デメリット

種類によって異なる特徴もありますが、共通する特徴もいくつかあります。

  • ドレープ性に優れ、肌触りがなめらかで独特の光沢感がある。
  • 吸湿放湿性が良く、静電気が起きづらいのでまとわりつかない。
  • 水に弱く、水分を含むと縮んだり強度が低下する。
  • 摩擦で毛羽立ちが起こりやすく、白くなりやすい。
  • シワになりやすく元に戻りづらい。
  • 環境に優しい。

レーヨンが一番水にも摩擦にも弱く、次いでキュプラがあげられます。比較的水も摩擦にも強い再生繊維はポリノジックやリヨセル。

レーヨン

【原料】木材パルプ

レーヨンの開発は1855年頃。世界で初めて再生繊維の開発に着手したのがレーヨンだと言われています。

絹に似せている人工のものということで、「人造絹糸、人絹(じんけん)」とも呼ばれます。

水に弱いため、雨の日にレーヨン素材の着用はおすすめしません。

家庭で洗濯する場合は十分に注意して洗濯しましょう。短い時間で摩擦が極力ないようにする必要があります。

キュプラ

【原料】コットンリンター(綿花)

コットンリンターとは綿の実の種子の表面に付いている長さ2〜6mmほどの短い繊維のことです。

製造工程(銅アンモニア法)が難しくコストも高いため、製造していた各社が撤退し、現在製造しているのは日本の旭化成のみ。
旭化成が作っているキュプラのブランドが「ベンベルグ」(商標名)です。

摩擦性や濡れた時の強度がレーヨンに比べると高く、レーヨンと同様の光沢や肌触りの良さがあります。

ポリノジック

【原料】木材パルプ

ポリノジックはレーヨンから改良されて作られた繊維のため、特徴・取扱い方はレーヨンとほぼ同じです。

レーヨンの強度の低さやシワになりやすいといった欠点を解消しようと改良して作られました。水に濡れても強度が弱くなりにくく、ハリ・コシがあります。

水への強度が高くなった分吸水性は劣ります。

リヨセル(テンセル)

【原料】木材パルプ(ユーカリの木)

日本名では「再生繊維」と品質表示がされるため「リヨセル」という言葉はあまりなじみがないと思います。
少し前までは「指定外繊維」と表示されていました。参照 : 指定外繊維を知る – ユーカリから生まれたリヨセル(テンセル)はエコロジカルで地球にやさしい再生繊維

テンセルは海外の商標名です。(オーストリアの繊維メーカーレンチング社のブランド)

製造過程がレーヨンと異なり、原料を直接有機溶剤で溶かして作られます。工場から出た廃棄する溶剤を再利用して作るため、環境負荷をより少なくしたものといえます。

リヨセルは再生繊維の中でも強度の高い素材として知られています。濡れた時でも強度はほぼ変わらず、洗濯による縮みも少なくレーヨンの弱点が克服されています。

モダール

【原料】木材パルプ(ブナの木)

モダールもレンチング社の商標名です(レンチング・モダール)。モダールもテンセル同様レーヨンの弱点を克服した繊維です。

品質表示では「レーヨン(モダール)」と書かれることもありますが、レーヨンとしか書かれない場合もあるので、目にする機会は少ないかもしれません。

ポリエステル繊維

【原料】ポリエステル(ペットボトルなど)

ポリエステルは石油を原料とした合成繊維ですが、この「ポリエステルを原料として再生した繊維」は再生繊維に分類されます。

これまであげてきた再生繊維とは違い、天然のものではなく化学物質が原料です。

ペットボトルの再生利用が代表的で、ペットボトル10本で上下1着分のポリエステル繊維が取れるとのこと。

ポリエステル繊維の製品にはダクロン(デュポン社)、テトロン(帝人・東レ共同)といったものがあります。

強度が高く、紫外線や水の耐性が高いところが特徴としてあげられます。

再生繊維は環境にやさしい

再生繊維は合成繊維よりも環境に優しい素材です。

今世界中で環境問題が取り立たされています。会社だけでなく、私たち個人も環境に優しいものを選んでいきたいところです。

合成繊維によるマイクロプラスチック問題

マイクロプラスチックとは合成繊維の服を洗濯することで出てくる細かい繊維のことです

マイクロプラスチックが排水から海に流れ出し水質汚染を招いていることが環境問題の一つにあります。

【マイクロプラスチック問題】衣類やペットボトル、ビニル袋などのプラスチックの欠片が海に流れ、それを魚が食べ、その魚を私たちが食べる。海の生物はもちろん私たちの身体にも悪影響が出てくる。

この問題には合成繊維を使わない、ということが対策になります。天然の素材を使った再生繊維を利用することで環境汚染防止につながります。

リサイクルしてゴミを減らす

世界中で日々大量の服が廃棄され、ゴミの埋立地は圧迫されています。

再生繊維はこの「ゴミを出さずに減らす」という点においても環境に優しいものといえます。

ポリエステル繊維はゴミとなるペットボトルを再利用することでゴミを減らします。多くの再生繊維は再利用できるものであったり、土に埋めることができるものなので、ゴミを増やしません。

まだまだ課題はあり

環境にやさしいとされているものでも、まだまだ課題はあります。

【参照】「再生プラスティック」を使ったファッションは、本当に環境に優しいのか? | WIRED.jp

それでも、自分たちで考えながらできるだけ環境負荷の少ないものを選べるようにしていきましょう。

再生繊維の洗濯・手入れ

再生繊維、主にレーヨンやキュプラは水に弱く、縮んでしまったりシワができやすいため、水洗い不可としているものが多いです。

洗濯表示をしっかり確認し、水洗いできないものはクリーニングに出します。

水と摩擦に弱いため、ゴシゴシ擦ったり固く絞るのはNGです。生地が傷みますし、白っぽくなったり毛羽だったりする可能性が高くなります。
水洗いができるものでも手洗いでやさしく洗うことで、衣類へのダメージを最小限に抑えましょう。

アイロンは当て布をして低温でかけるようにしてください。

繊維を知り考えてモノを選ぶ

再生繊維は光沢感や肌触りのよさだけでなく環境にもよい素材です。

たくさんの中から私たちが再生繊維を選ぶことで、ゴミを出さず地球環境を守ることにもつながります。

どの素材が環境にやさしいものなのか知っておくと、サスティナブルなもの選びができるはず。

またいつも触れているものだからこそ、その原料、素材に目を向けつつ自分に合ったものを見つけて行きたいものです。

自分の好きなものがどんなものか分かると、選びやすかったり、いつもと違うところに気がついたりします。素材のことを知って、ショッピングをさらに楽しいものにしてください。