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ビスコースとは?レーヨン素材を詳しく知る

2020/06/142021/07/19

ビスコースは元々「人工シルク」として利用されていました。
人工シルクという名前の通り、シルクのような質感とドレープ感が特徴の素材です。


ビスコースがどんな素材なのか詳しくご紹介します。

ビスコースとは

「レーヨン」といってイメージできる人の方が多いかもしれません。
ビスコースはレーヨンの一種で、一般にレーヨンといわれるものはビスコース・レーヨンのことを示しています。

他の繊維(素材)となじみやすいので混紡や交織によく使われます。
他の素材のいいところと合わせやすい、ということですね。
混紡・・・ 二種類以上の違う繊維を混ぜて糸を紡ぐこと。
交織・・・ 種類の違う糸をまぜて織ること。

ビスコースはいい面もあるのですが、弱いところもあるので素材をかけ合わせて生地を作ることも少なくありません。

ビスコースについてさらに詳しい内容をお伝えするために、レーヨンのお話もしていきたいと思います。

レーヨンという素材について

シルク(絹)を目標にして、人工的に繊維を作ってできたものがレーヨンです。

レーヨンが出発点となり、化学繊維は発達していきました。
レーヨンは繊維産業の中心となっていたときがあり、社名に「レーヨン」を使っていた会社がいくつもありました。大手化学企業の東レは「東洋レーヨン」、大手化学メーカーのクラレは「倉敷レイヨン」という社名だったのです。

レーヨンは化学繊維の中の「再生繊維」です。
原料は木材パルプ(木のくず)。木材の中にあるセルロースを取り出して糸にします。
土の中で生分解して土に還るエコ素材です。
「ビスコースができるまで」参考記事 : ビスコースとは | 製品情報

セルロースから再生されて作られる繊維の総称がレーヨンです。
天然材料から化学で繊維として再生させるため、再生繊維といわれます。

関連記事 : 再生繊維って何? – freeen

レーヨンには4つの種類がある

レーヨンは、原料や製法の違いによってさらに細かく分けられます。

  • ビスコース・レーヨン
  • キュプラ
  • ポリノジック
  • リヨセル(テンセル)

ビスコース法という製法で作られたものが「ビスコース・レーヨン」です。
このビスコース・レーヨンを単にビスコースと呼ぶことがあり、一般的にレーヨンといったらこのビスコース・レーヨンのことを指します。

キュプラはリンターという綿花のくずから作られるもの。ベンベルグという商標で旭化成(株)でのみつくられています。
関連記事 : キュプラは高級な再生繊維 – freeen

ポリノジック、リヨセル(テンセル)はビスコース・レーヨンの改質した繊維で、強度がさらに強く、水に濡れても縮みにくいものになっています。

ビスコースの長所

ビスコースにはたくさんの長所があります。

シルクのような質感

まずシルクのような光沢と、なめらかでつるんとした肌触りがあげられます。人工シルクとしてつくられたため、しっとりとやわらかい感触がしっかり再現されています。

このリッチな質感を活かして、ワンピース、スカート、ブラウスといったアイテムのコーディネートでエレガントスタイルにできます。

優秀な機能面

まず軽くて丈夫なこと。
そして吸湿性・吸水性があり静電気を起こしにくく、夏場でもさらっと使えます。
色落ちしにくく、日焼けしにくいといったこともあげられます。

シルクは虫やカビに弱いですが、ビスコースであれば虫に強いので大きなメリットです。

どちらかというと使う側より作り手側のメリットになりますが、
染色・プリントしやすく、発色も良いためデザイン性のあるアイテムがつくれる。
体にフィットしやすく、ドレープ性も高いため、美しいシルエットがつくれる。
といったことも長所としてあげられます。

ビスコースの弱点

水に弱い

弱点は水に弱いこと。水シミができやすく、濡れると縮みんでしまい、丈夫さが低下します。
水がついたまま放っておくとシミになる可能性大なので、すぐに乾かしましょう。

きれいに長持ちさせるためには、汗をかきやすい場面や、直接素肌に着ることは避けた方がいいです。

摩擦に弱い

摩擦もビスコースの弱点です。すれると生地が傷みやすく、白くなったりします。
ゴシゴシこするのは絶対NG。

ビスコース素材の洗濯

洗濯すると縮みやすく、シワになりやすいのも難点。洗濯は注意して行います。
ビスコースは水に弱いので、洗濯に気をつけることで長持ちするかどうかが変わってきます。

洗濯機で洗えるものもありますが、洗濯機より手洗いするか、ドライクリーニングに出す方がお勧めです。
基本的には水に弱い素材なので、できればドライクリーニングへ。洗濯表記を確認してみてください。

洗濯機で洗う場合、「おまかせ」設定にしないように。洗濯ネットに入れて手洗いコースにしましょう。

長時間水につけてしまうと縮む可能性が高くなるので、その前に洗濯を終わらせましょう。
数十秒程で素早く洗う、サッとすすいですぐに脱水して干す。

こする、しぼるは優しく

ゴシゴシこすったり、ギューっと絞るのもNG。

水分がある状態で強くこすってしまうと、繊維が分繊して白っぽく見えるようになってしまいます。

また汗をかいてそのままにしておいたり、部分的に水に濡れたり水溶性の汚れが付くと、その部分が「あと」になりやすいです。そうなってしまうとクリーニングに出しても落ちづらくなってしまいます。

水濡れしてしまった時は、乾いたタオルでこすらずにたたいて乾燥させます。

アイロンがけ

アイロンがけも注意が必要です。

シワになりやすいビスコースは、アイロンがけをしたくなります。

最大温度は160℃まで。中温(140〜160℃)の設定、またはスチームアイロンで。
当て布をしてアイロンをかけることで生地に直接アイロンの影響を与えずにすみます。

シワになりやすいので、保管はたたまずハンガーに吊るすのが良いです。

素材を知って長持ちさせる

ビスコースはシルクのような素材感が魅力的なのですが、シルクのようにデリケートに取り扱わなければ長持ちしない素材でもあります。

素材を知り、お気に入りの服を長持ちさせましょう。