裏起毛やボアなど毛が抜けやすい起毛素材の選び方や対処法
2023/06/09
起毛素材のお悩み事でよくあるのが「毛が他のものについてしまう」「毛玉がポロポロ落ちてしまう」こと。
完全に毛が抜けることを防ぐことは難しいのですが、購入前に素材や状態を確認したり他に毛がつかないように対処することはできます。
少しでも悩みが軽減できるようにチェックしてみてください。
起毛素材とは
生地の毛を起こして毛羽立たせたものを「起毛」と言います。
【主な起毛生地】
裏起毛 | 裏面だけを起毛させた生地。 |
フリース | 化学繊維のポリエステル(PET)を起毛して生地にしたもの。(フリースはポリエステル素材で作ったもののみを指します) |
ボア | パイル編み(ループ状に生地を編むこと)の先端をカットした生地。 |
それぞれの起毛生地に共通している特徴は、やわらかい感触で生地に厚みがあること。また保温性の高さもあげられます。これは毛の間に空気が入り込むため体温の暖かさを保持するためです。
起毛素材は毛が抜けやすいもの?購入前にチェックする
製造過程で抜けた毛が繊維に絡んだままになり、それが着用・洗濯することで抜け毛として出てくることがあります。これが起毛素材が抜け毛が多い要因の一つでもあるようです。
起毛は多少毛が抜けてしまうものではありますが、商品そのものが不良品という可能性もゼロではありません。
店舗や商品によっては返品することも難しいようなので悩みどころですが、あまりにもひどいようなら店舗に伝えましょう。何も言わないより対応してくれる可能性はあります。
【参照】ネットショッピングで衣類を購入したら粗悪品で日常使いできない – 弁護士ドットコム 消費者被害
私も起毛素材の毛が抜けてお気に入りの服を泣く泣く処分したことがあります。何度か着用・洗濯したあと毛玉が大量発生し、着ているとポロポロ毛玉が落ちるようになってしまったのです。
起毛生地はそういったことが起こり得る、といったことを考慮しつつ購入商品を吟味していきましょう。着たり洗濯しないと分からないものは見分けが難しいですが、購入前にそのアイテムの起毛の毛が近くの服についていたりしないか、きれい起毛がに整っている状態かもチェックポイントの一つです。
毛玉ができやすい素材に注意
毛玉のできやすさは生地の素材によっても変わります。毛玉がたくさんできてポロポロ抜け落ちてしまう場合は素材も関係しているかもしれません。
ウールやアクリルなどは比較的毛玉ができやすく、綿(コットン)やリネン、シルクといった素材は毛玉ができにくい素材といわれます。
ただ毛玉のできやすい素材もお手入れ次第で毛玉を少なくできたりするので、お手入れも頑張ってみてください。
コーディネートで静電気対策
毛玉や抜け毛は摩擦や静電気によっても発生しやすくなります。摩擦を減らすことはなかなか難しいですが、静電気はコーディネートによって対策することができます。
素材はマイナスに帯電しやすいものと、プラスに帯電しやすいものに分かれます。性質が近いものほど静電気が発生しにくいので、図の隣り合った素材同士を合わせるのがおすすめです。
ウール素材の起毛アイテムのインナーにはナイロンやシルクといった同じプラス電気を帯電しやすい素材のアイテムを選ぶと静電気が発生しにくいです。また静電気防止スプレーをかけるのも対策になります。
他のものに毛がつかないようにする
購入直後は特に余分な毛が付いている可能性が高いので、単体で洗濯したり、毛をあらかじめ取り除いてから洗濯するようにしましょう。
毛が抜けるのが落ち着くまで単体で洗濯する
製造過程で繊維についてしまっている毛もあるため、何回か洗濯すると落ち着くことがあります。それまで他の衣類に毛がつかないように単体で洗うようにしましょう。
その服を単体で洗うことが難しければ、余分な毛が抜けきるまではネットに入れて洗濯してください。ネットに入れることで、他の洗濯物に毛がつくことを軽減できます。
ネットはできるだけ抜け毛が通らないように、網目の細かいものがいいです。
余分な毛を洗濯前に取り除く
洗濯の前に粘着テープ(ガムテープやコロコロなど)やブラシを使って、毛が抜けるかどうかチェックしつつ、余分な毛を取り除きます。
テープやブラシにたくさん毛がつくのであれば、洗濯でも抜け落ちてしまう可能性が高いです。あまりにも抜け毛が多く、生地が薄くなってしまいそうなら単体で洗うようにします。
取り除く際に注意したいところは繊維の奥までやらないこと。力強くブラッシングしたり、テープをしっかりつけてしまうと、抜けていない繊維を引っ張ってしまい、抜け毛がさらに増えてしまう可能性があります。