毛玉ができやすい素材がある!予防・取り方・素材を知って毛玉対策
2023/10/13
毛素材は保温性が高く、冬にはニットやセーターを着る人は多いはず。でも毛玉ができやすくて困っている人も多いのではないでしょうか。
ニットやセーターに限らず毛玉はいろいろなアイテムにつきもの。取り除くのも面倒ですから、できないようにすることが一番。ですが「毛玉が絶対にできない素材」というのは難しいようです。
そこで知っておきたいのが、なぜ毛玉ができるのか・毛玉ができやすい素材・毛玉の予防策や取り除き方です。
毛玉ができやすい素材とできにくい素材というのはあります。もしかしたら素材を変えるだけで毛玉が軽減するかもしれません。
そして毛玉ができやすい素材には予防対策をしたり、できてしまったらうまく取り除いてアイテムをきれいに保ちましょう。
毛玉ができる理由
毛玉の元は繊維。そして毛玉ができる原因は摩擦や静電気です。
摩擦によって生地がすれることで繊維が毛羽立ち、その毛羽がさらに追加の摩擦や静電気で束になって絡まり、毛玉になります。
なので毛羽立ちしやすいもの、そして毛足が長く絡まりやすいものが毛玉になりやすい素材と言えます。
摩擦や静電気といったものは生活の上で避けられないもの。毛玉ができにくいアイテムが欲しいと思ったら、毛玉のできやすい素材を選ばないこともポイントになります。
毛玉ができやすい素材
毛玉がたくさんできてしまう代表格はニット。ただし同じニットでも素材によって毛玉の出来やすさや取れやすさに違いがあります。
【特に毛玉ができやすい素材】
- アクリル
- ポリエステル
- ウール・カシミヤ・アンゴラ
- 天然 + 化学繊維の混紡(アクリルやポリエステルなど)
毛玉ができやすい化学繊維は特に要注意。
化学素材はひっついている毛玉を離してくれません。自分で取らないとどんどん毛玉が増えて毛玉だらけになってしまうこともしばしば…
ウール、カシミヤ、アンゴラといった天然繊維は、毛玉はできやすいものの、自然と落ちやすいという特徴があります。
繊維の強度が強い素材は毛玉ができやすい
繊維の強度が強いものは丈夫さというメリットがありますが、毛玉になりやすいデメリットも持っています。
毛玉は避けられないもの。どんな素材でも毛玉を0にすることは難しいです。
天然繊維のようにやわらかい繊維は、毛玉になる前に、もしくはできたとしても自然に落ちてくれるので、実際には大量に毛玉ができていたとしても気付かないだけのこともあります。
強い繊維は自然には落ちてくれません。取らない限り生地に残ってしまうので、目に見えて毛玉の存在を確認できてしまいます。
素材によってしっかり手入れをすることが大切です。
アクリル・ポリエステル
アクリルは天然素材のウールに似せて作られた化学繊維で、やわらかい風合いと保温性の高い素材です。
ポリエステルは化学繊維の中でも多く使われる素材です。
持っているアイテムの中にきっとひとつはポリエステル素材があるのではないでしょうか。
どちらも静電気が発生しやすいというデメリットがあり、毛玉になりやすいです。さらにアクリルは毛足が長い繊維なので絡まりやすく、これも毛玉の原因になります。
そしてアクリルもポリエステルもとても強い繊維です。
ウールのような天然繊維は切れやすいので、毛玉ができても自然に落ちてくれます。
しかし、丈夫な繊維は切れにくい。毛玉になったらそのまま服に居つきます。毛玉を取らずそのままにしていると、どんどん硬い毛玉になるため、より取れづらくなります。
ウール・カシミヤ・アンゴラ
ウールとカシミヤは天然の毛素材。繊維の表面がうろこ状で縮れているため、繊維そのものが絡まりやすく、絡まった繊維は毛玉になります。
毛玉にはなりやすいですが、これら天然素材は毛玉ができても取れやすい素材でもあります。ちゃんとお手入れすればきれいな状態で使い続けることができます。
獣毛の毛玉の発生率は以下の順と言われています。
アンゴラ > ウール > カシミヤ > キャメル > モヘア > アルパカ
毛の素材を選ぶときに参考にしてみてください。
天然繊維と化学繊維の混紡
天然素材(綿やウールやカシミアなど)と、アクリルやポリエステルといった毛玉のできやすい化学繊維が混紡されている生地は、毛玉が増えやすいです。
天然繊維は自然に落ちることが多いですが、化学繊維が入ることによって毛玉が落ちないでくっつき続けてしまいます。そしてそこに新たな毛玉が増えて大きくなっていきます。
毛玉ができにくい素材
同じ毛素材でも、繊維の構造によって毛玉ができにくいのがアルパカやモヘアです。その他植物系の天然素材は毛玉ができにくいです。
- アルパカ・モヘア
- コットン・シルク・リネン
これらは繊維が毛玉のできにくい構造になっています。静電気が起きにくく、繊維表面が滑らかで絡まりにくいことも、毛玉の発生を抑えています。
ただし、これらも化学繊維と混合されている場合は注意。毛玉になりやすい素材に変わってしまいます。
素材100%のものであることが、毛玉ができにくくなる条件です。
生地の作り方で毛玉ができやすい・できづらいがある
素材だけではなく、どう作られているかを見ることも重要ポイントです。
裏地に毛玉ができやすい素材、表地に毛玉ができにくい素材で作られたものは、毛玉ができづらいです。
他にも毛玉ができやすいか、できづらいかをチェックできるポイントがあります。
毛玉をできにくくするアンチピリング
毛玉が発生する現象はピリングと言います。「アンチピリング加工」は毛玉をできにくくする加工のことで、毛玉になる前に落ちるようにしているものです。
この加工が施されていれば、アクリルの毛玉に悩まされることは少なくなりそうです。
いつも毛玉に困っている人は、持っている服の素材が、毛玉ができやすいものが多いのかも。ぜひ毛玉ができにくい生地かチェックしてみてください。
ざっくり編みは毛玉ができやすい
ニットであれば、編み方でも毛玉のできやすさをチェックできます。
ざっくりした編み目のものは繊維が絡まりやすく、毛玉ができやすいです。逆にしっかりと目が詰まっていれば毛玉はできにくいです。
購入前にしっかりチェック
品質表示タグや商品説明から「ピリング・毛玉」の文字を探す
品質表示タグはぜひ見てください。
ちゃんとしているメーカーさんは、繊維をしっかりチェックして商品を販売します。
そのチェックの際に「毛玉になりやすい」と判断されると、注意事項として書かれます。
ここに「ピリング(毛玉)が発生しやすい」というようなことが書かれていないかチェック。
レビューがあればチェック
オンラインショッピングの場合は商品説明、もしくはレビューをチェック。あまりにも毛玉が多いとレビュー上でそのことを書いている人もいます。
こういった声はぜひ参考にしましょう。
毛玉予防のお手入れ
毛玉はお手入れによっても頻出度が変わります。洗濯やしまい方、着るときの注意などによって毛玉発生を少なくすることもできます。
毛玉ストレスが少しでも緩和されるよう意識してみてください。
裏返してネットに入れて洗濯する
服をひっくり返してぴったり入るサイズの洗濯ネットに入れます。裏返してぴったりサイズのニットに入れることで表面の摩擦が減るため毛玉予防になります。
大きいネットに他の洗濯物を詰め込んでしまうと、ネットの中でこすれてしまうので入れすぎは注意です。また隙間があると服が動きやすくなるので、結局生地同士が擦れてしまい毛玉の原因になります。
一つの衣類がピッタリ収まるサイズのネットを使用するのがポイントです。
コースはドライや手洗いなどやさしく洗えるコースで
洗濯機のドライコースや手洗いコースは普通コースより弱い回転で洗濯します。これで摩擦が弱くなるため毛玉ができにくくなります。
素材別おすすめ洗濯
≪ウール≫
ウールは水洗いすると縮みやすい素材のため、ほとんどのウールは家で洗うことができません。正確にはできないというより、推奨されていないためお家洗濯の場合ダメになりやすいという感じです。
どうしても汚れが気になるときなどは、水の中に入れてあまり動かさないようにして押し洗いしましょう。
≪アクリル≫
繊維が丈夫なアクリルは、お家洗濯もOK。洗濯機が使用可能かどうかはケアラベルを確認しましょう。
手洗いの場合は、30℃程度のぬるま湯で優しく押し洗い。
同じ温度のお湯で2回ほどすすぎをしたら、洗濯機で30秒脱水。
最後に厚めのタオルに挟んで水気を取り、乾かします。乾燥機使用可のアイテムなら短時間かけてから干すのがおすすめです。
連続して着ない
同じものをすぐに続けて着ると、生地の負担が大きくなり摩擦は起きやすくなります。
休ませることも大切。1回着たら2、3日は休ませましょう。
毛玉ができやすいところに注意する
毛玉は擦れてできるので、特にこすれやすいところにできます。
よくできる箇所は脇の下、腰、袖口(こすれやすい場所)。どこも自然とこすれてしまうところです。
袖の内側、バッグなどとこすれやすいところも要注意。リュックやショルダーバッグなどは特に摩擦が起きやすいです。
よく肩にバッグをかける人ならバッグが当たるところ(脇のところ)。ショルダーバッグなどは腰のあたりが擦れやすいです。
摩擦の少ないレザー素材のバッグに変えてみたり、擦れないようなコンパクトなバッグを持つのも対策の一つです。
とはいえ生活の中で完全に擦れないようにするのは難しいもの。
そこで、着た後にそのあたりを見て毛玉があればブラッシングをします。これで毛玉が増殖していくのを抑えることができます。
着た後にブラッシング
着た後は洋服用ブラシでブラッシング。生地の毛並みを整えましょう。
着た後すぐにやることで、後から擦れてできてしまう毛羽が絡まるのを防げます。絡まなければ毛玉になることもありません。
ブラシは力を入れすぎず優しく一定方向にかけるのがコツ。強くいろいろな方向にかけてしまうと逆に絡まります。
毛玉予防スプレーで毛玉発生を抑える
とても簡単にできる毛玉予防として毛玉防止スプレーがあります。衣類をコーティングして摩擦による毛羽の発生を抑えるもの。
スプレーを吹きかけて乾かすだけでOK。基本的にはどの服にも使用できますが、シミや偏食、色落ちが全くないとはいえないので、全体に使用する前に目立たない部分で確認してください。
プロにお任せ
お気に入りのアイテムのお手入れはプロにお任せするのが一番安心です。お家洗濯ではしきれないケアもしてもらえたり、毛玉を取ってくれるサービスもあります。
こだわりのアイテムや時間がなくてなかなかお手入れできない、という人はクリーニングの利用がおすすめです。
服に合わせた毛玉取りを
毛玉は取れば一度はなくなりますが、服に合わせたお手入れでないとかえって毛玉を増やしたり、穴を開けてしまうことも…。正しい毛玉とりでお気に入りの服を長持ちさせましょう。
毛玉を引っ張って取るのはNG!
やってはいけないことは引っ張って毛玉を取ること。できた毛玉が気になってその場で手で引っ張ってしまうこともあるかもしれません。
ですが、そこで引っ張らずにちゃんとカットして毛玉を取るようにしてください。
引っ張って取るとその部分が毛羽立ち、またその毛羽が摩擦によって毛玉に…さらに毛玉ができやすい悪循環になってしまいます。
毛玉取りやハサミなどカットできるものを使用しましょう。
毛玉取り参考サイト:
誰でも簡単にできる!毛玉をキレイに除去する方法 | ユニネクマガジン
実は毛玉は取らない方がいい?まずは予防を
毛玉は服の繊維の端くれ。それを取るのは服の生地を減らすことと同じです。何度も毛玉を取っていくと生地がその分なくなり、服がくたくたになっていきます。
これではお気に入りの服でも、長くは着れません。
でも毛玉ができたら取らなければみっともない…でも取ったら服の寿命が縮んでしまう…
取らない方がいいけど、やっぱり気になってしまいますよね。
なので毛玉を作らないようにすることが一番!
毛玉を取ることを頑張るより「毛玉を防ぐこと」を意識してみましょう。
毛玉に悩むときは素材チェックもお忘れなく
デイリーに長く着たいならば、きちんと素材を確認して、毛玉ができにくく丈夫な素材のアイテムを選ぶようにしましょう。
せっかく「いいな」と思って買った服なのですから、ほんの数回着て毛玉だらけで着づらい…なんて悲しいですよね。
素材によって毛玉の発生頻度が変わります。お気に入りを長く着るためにもアイテムを選ぶときにぜひ素材チェックをしてみてください。
そしてできる前に予防する、できたら生地を傷めつけない程度に取り除いていきましょう。
「本当に長く使えるお洋服」は購入前の素材チェックやお手入れが大切なことです。