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ナイロンがどんな素材かを知って服選びに活かそう

2022/02/19

ナイロンは耐久性、丈夫さが最大の特徴。「長く使う」を叶えてくれる素材で、ファッションに限らずさまざまなアイテムに利用されています。

アイテムによってデメリットにもメリットにもなる特徴もあるので、何を買う時にナイロンがいいかは覚えておきたいところです。

ナイロンの原料

ナイロンは石油が原料の「ポリアミド合成樹脂」というものから作られる合成繊維です。この合成樹脂の名前をとって「ポリアミド」ともよばれます。というより、このポリアミドが化学的な正式名称で「ナイロン」は登録商標です。
「ナイロン」という名称が有名になったので、ポリアミドの呼び名としてナイロンが使われるようになりました。
関連記事 : 合成繊維とは — 化学繊維と天然繊維

ナイロンの歴史

ナイロンは世界初の合成繊維で、1935年アメリカのデュポン社によって開発されました。それ以前に作られていたストッキングはシルクで作られていました。

シルクは強度の低さからすぐに破れてしまうが、高級素材のため価格は高い…
そんな悩みを解決するべく、感触はシルクに近く、安くて強度があるナイロンが開発されたのです。

世界中に広まることとなったのは1940年。ナイロンストッキングが販売され、4日間で500万足を売り上げたと言われています。
【参照】ケミカル・ワンダータウン | 経済産業省

日本ではナイロンの登場で「女性と靴下が強くなった」という言葉が誕生したそうで、このことからも強度が十分に上がったと考えられます。

この成功によって、化学繊維への関心が一気に高まり生産が広がりました。
開発した当初はストッキングに使用されることが多かったようですが、現在ではナイロンの特徴からアウトドア用品やダウンジャケット、傘やレインコートなどの雨具などさまざまなアイテムに使用されています。

ナイロンの語源は no run

「ナイロン」という名前の由来はno run(runしない)という言葉。runはストッキングの伝線のことで、伝線しないストッキングという意味を込めたようです。

しかし、使ってみると結構runしてしまうので、nuron、 nillonなどといった言葉も試され、最終的にnylonに決まったそうです。

今でもストッキングの伝線はなくならない問題かと思います。これは繊維の「編み方が伝線しやすいもの」とのことで、素材だけでは解決できない問題のようです。

ナイロンの特徴

強度・耐久性の高さ、軽さなどがナイロンの最大の特徴です。染色もしやすいため衣服を中心に幅広いアイテムに使われます。

加工によってさまざまな機能をつけることができるため、同じナイロン製品でもメリットやデメリットが異なるものもあります。
ここでは基本的な特徴を紹介していきます。

軽くて耐久性が高い

ナイロンは綿(コットン)の約10倍ほど摩擦に強いといわれています。表面がすべすべしているので摩擦が起こってもほとんど傷みません。
また引っ張りにも強く、引っ張っても破れづらいのも特徴です。

摩擦に強ければ、

  • 洗濯による劣化が少ない
  • アウターやバッグなど、外気に触れるモノも長持ちする。

といったメリットがあります。

薬品への耐久性も高く、万が一カビが生えても酸素系漂白剤やエタノール液で落とすことができます。
このように丈夫でありながら、「軽い」というのもナイロンの大きな特徴です。
この丈夫さと軽さからスポーツウェアやバッグといったアイテムとの相性がよく、多くの製品に使用されています。

伸縮性に優れる

伸縮性に優れていると、着やすく動きやすいアイテムがつくれます。
また引っ張っても元に戻ろうとする力もあり、形崩れしにくい点も特長としてあげられます。

吸湿性が低い

デメリットには吸湿性の低さ(水分を吸い込みにくい)があります。インナーや湿気が多い場所、夏場のナイロンアイテムは不向きといえます。

ただしこのデメリットはアイテムによっては重宝します。
湿気を寄せ付けず水をはじいてくれるため、レインコートや傘など水に濡れることを前提としたモノにはよく使われます。

ナイロン製のバッグは外側が濡れても内側に浸透してきませんので、雨の日におすすめです。

熱や日光に弱い

ナイロンの弱点は熱。変形する可能性があるので、乾燥機やアイロンは避けましょう。

また太陽の光にも弱いため、日光にずっと当てていると日焼けや変色(黄ばみや色褪せ)します。干しっぱなしにも気をつけましょう。陰干しがおすすめです。

静電気が起こりやすい

ナイロンに限らず、合成繊維とよばれる素材は静電気が起こりやすいです。
静電気対策をすることで軽減できるので、特に静電気の多い時期はコーディネートの時に意識してみてください。

関連記事 : 静電気は対策できる!素材選びや静電気の防止方法

ナイロンの種類

ナイロンには実は種類があり、「ナイロン + 数字」という名称で分けられています。
数字は原料の炭素原子の数を当てはめているとのことで、1から順番にあるわけではありません。

代表的なものはこちら。

  • ナイロン6
    東洋レーヨン(東レ)が開発。綿に近い肌触りのナイロン。染色性が良い。
  • ナイロン6,6
    デュポン社が開発。シルクに近い肌触りのナイロン。ナイロン6より強度や耐熱性に優れる。

ナイロン11や12といった種類もありますが、特に生産されているナイロンは上記2つです。この2つを覚えておけばアイテム選びには困らないかと思います。

ナイロンのお手入れ

水や薬品といったものに強く、汚れを落としやすいためお手入れは簡単と言われます。

正しく保管していれば虫食いもほとんどないです。

自宅で通常の洗濯が可能で、色移りや縮みの心配も少なくシワにもなりにくいので、気兼ねなく洗濯できます。
他の素材との混紡製品の場合、洗濯方法が変わることがあるので洗濯表示は確認してください。

関連記事 : 洗濯表示をチェックして正しい洗濯を

熱に弱いためアイロンは極力避けたいところですが、どうしても必要な場合は必ずあて布をしてかけるようにしてください。

ナイロンだけならアルカリ系洗剤もOK

汚れがそんなに目立たない場合、生地への負担が少ない中性洗剤を使用した方がいいですが、アルカリ系洗剤の使用もできるので、頑固な汚れがある場合はこちらの方が汚れが落ちやすいです。

防虫カバー保管に注意

ナイロン素材のアイテムには、防虫カバーはしない方がいいです。

防虫カバーには酸化防止剤が含まれます。この中に含まれる酸化窒素ガスが原因となり、カバーとナイロンが合わさるところに「黄ばみ」が発生してしまうことがあります。

ナイロンは化学繊維ですから、虫が好んで食べるたんぱく質を含みません。害虫に強いので、お手入れ用ブラシでホコリや汚れを落とす程度でも大丈夫です。

タイツによくあるデニールとは

ナイロンやポリエステルといった化学繊維にこの「デニール」という単位が使用されます。

デニールとは「繊維の太さを表した単位」です。

「9000mで1gの糸」が1デニールです。
20デニールなら9000mで20gになる糸を使用している、ということを表し、数字が大きいほど厚くて重くなります

ナイロンとポリエステルの違い

ナイロンとポリエステルは見た目も手触りも似ています。ではどういった違いがあるのでしょうか。

関連記事 : 最もよく使われるポリエステル素材について知っておこう

原料の違い

ナイロンはポリアミド合成樹脂の一つ、ポリエステルはPETやPBTといったいくつかの種類があります。

機能の違い

ナイロンもポリエステルも、加工によってさまざまな機能をつけることができるので、この限りではありません。加工のない場合の比較として見ていきます。

ナイロンポリエステル説明
耐久性ナイロンは化学繊維の中でも一番の強度があります。
またナイロンは引っ張りに強く、
ポリエステルは衝撃に強いと言われます。
軽さ若干ではありますがナイロンの方が軽いです。
伸縮性編み地によって違いはありますが、
糸そのもので比べるとナイロンの方が優れています。
柔軟性
染色性
吸水性
吸湿性
どちらも吸水性・吸湿性は低いですが、
比較的ナイロンの方が優れています。
速乾性
熱への
耐久性
ナイロンは熱が弱点ですが、
ポリエステルは比較的強いです。
価格ポリエステルの方が安価です。
化学薬品
への耐性
酸性に弱いアルカリ性に弱いどちらも薬品に強いことも特徴にありますが、
「耐性が低いもの」の違いがあります。
燃焼性燃えにくい燃えやすい燃えるとナイロンは毛が焦げたような臭いがし、
ポリエステルは刺激臭があります。

ポリエステルは伸縮性が低いです。商品によって伸縮性が必要かどうかは変わります。服ならある程度の伸縮性があった方が着やすく着心地もよく感じる人が多いですが、バッグの場合伸びると型崩れしやすいためあまり好まれません。
「何に」使われているかの違いで、メリットにもデメリットにもなります。

またポリエステルは、日焼けが起こりにくいこともナイロンとの違いとしてあげられます。

比較するとナイロンの方が優れている部分が多いためか、ナイロンの方がポリエステルより費用がかかります。

ナイロンの方が優れているとはいえ、ポリエステルの柔軟性を考えると決して劣っているわけではありません。

それぞれ弱点を克服するような加工が施されていたり、素材との組み合わせによって変化するので、素材だけでなく製品の特徴も確認して選ぶようにしましょう。

ナイロン素材が活かされているアイテムを選ぼう

あまり発売されていないと思いますがインナーでナイロン素材はあまりおすすめしません。素材が加工されていて吸湿性の問題がなければ大丈夫です。

雨具やレジャーアイテム、アウター、ポーチなどに、ナイロンはおすすめです。雨具やアウターは雨でも水を吸収せず弾いてくれるため中まで浸透しません。ポーチは化粧直しなどの時、水回りにおいても安心です。

特性を知っておくと、コーディネート選びに活かしたり、アイテムを便利に使いこなせるはずです。ここで得た知識をぜひ自分のアイテム選びにも活用してください。

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