ウールに似せたアクリル生地の特徴 | freeen

ウールに似せたアクリル生地の特徴

2021/08/05

アクリルは絵具や板、衣服など、さまざまな異なるジャンルの製品に使われます。

アクリルはポリエステル・ナイロンと共に三大合成繊維といわれ、私たちの身近にたくさんあります。

ここでは衣服に使われる「アクリル繊維」についてご紹介します。

アクリルとは

「アクリル」はアクリル樹脂やアクリル繊維の略称で、アクリル樹脂は絵具や板に、アクリル繊維は衣服に使われています。
「樹脂」と「繊維」では材料が異なるので別のものです。ここでの「アクリル」は「アクリル繊維」としてお伝えします。

アクリルは合成繊維。原料は石油から取れるアクリロニトリルから繊維をつくります。
アクリロニトリル – wikipedia

「合成繊維」についての参考記事 : やっぱり天然を選ぶ?化学繊維と天然繊維 – freeen

合成繊維は何かしらの天然繊維に近づけてつくられるものが多く、アクリルは「ウール(羊毛)」に似せてつくられています。

参考記事 : ウールはどんな素材? – freeen

アクリルの歴史

19世紀末に発見されたアクリロニトリル。繊維化に成功したのは1944年で日本には1950年代に工業生産されるようになりました。

ウールの特徴に近づけたアクリル

アクリルは、ウールに近い風合いになるようつくられた合成繊維で、ふっくらとした柔らかさと暖かさがあります。
セーターなどのニットアイテムやマフラー、毛布などによく使われます。

ウールは羊の毛。ウールがふわふわなのは、繊維の中に空気がたくさん含まれているため。

柔らかい風合いと暖かさを実現するには空気をたくさん含ませることが必要で、アクリルは人工的にこの機能を持たせています。

空気をたくさん含むように加工した糸がバルキー糸(嵩高加工糸)というもの。

このバルキー糸が羊の毛のようになり、ウールのような風合いに仕上げます。

バルキー糸

バルキー糸は収縮させる繊維と収縮しない繊維を混ぜて、繊維の間に空気を含ませた糸のこと。
このバルキー糸によって生地をつくるとふんわりとした風合いを出すことができます。
バルキー(bulky)は英語で「かさばった、分厚い」という意味。繊維がかさばるためバルキー糸とよばれます。

アクリルの特徴

アクリルの長所は、強度・軽さ・やわらかさ・保温性・耐光性・速乾性。
また、発色性も良いので、色鮮やかな製品を作ることができることも魅力です。

短所は毛玉ができやすく、静電気が起きやすい。そして熱に弱いことです。

いろいろなことに強い

アクリルは強度が高い素材です。摩擦や引っ張りに対して耐久性があります。

虫に食われにくく耐薬品性があります。シワにもなりにくいです。

耐候性もいいので、紫外線で変色する、といったことが起きにくいです。

毛玉・静電気・熱に気をつける

アクリルに限らず合成繊維は毛玉ができやすく取れづらい素材です。
自然に毛玉が取れることが少ないので、毛玉はまめにチェックしましょう。

静電気が起きやすいのもアクリルのデメリット。静電気が起こるとホコリがつきやすくなります。きれいな状態を保つためにも静電気対策はしっかり行いましょう。

熱を加えると縮んでしまうので、洗濯後の乾燥機は使わず陰干しがおすすめです。

ベタつきが気になることも

アクリルは、吸水性・吸湿性がよくありません。
これは調味料が服につくのをある程度弾いたり、濡れても乾きが早いというメリットがありますが、汗を吸ってくれないとベタつきやすくなります。

服の内側の水分は服から放出されないと中に留まってしまいます。一度汗をかくと長時間ベタベタしたまま過ごすことになってしまう可能性があります。

アクリルとウールの違い

見た目や感触、機能も似ているアクリルとウールですがもちろん違いもあります。

暖かさはウールに劣るアクリルですが、それでも保温性は高く、ウールのデメリットがカバーされている部分もあります。

価格

価格を抑えられるのはアクリル。天然繊維のウールは価格が高くなりやすいです。フェイクファーとよばれるものは、ほとんどアクリルでつくられます。

丈夫さ

ウールは動物性の天然繊維のため、どうしても虫食いやカビが発生してしまいます。高かったのにすぐに虫に食われてしまった…なんてことも珍しくありません。
そういったことから、価格の割に長持ちしないことが問題点としてあります。

アクリルのような合成繊維は丈夫さや耐久性が自慢の素材。アクリルにはその心配は無用です。

発色

ウールよりアクリルの方が色が入りやすくきれいに染色できます。デザイン性の高いアイテム、鮮やか色合いが好きな方はアクリル素材の方が、好みのアイテムが見つけやすいと思います。

吸水性・吸湿性

アクリルは吸水性・吸湿性が悪く、汗を吸収してくれません。ウールは逆に吸水性・吸湿性に優れているので、ウールの方が快適です。
反面、アクリルは水濡れに強く、速乾性があります。

この機能面においてはケースバイケースで使い分けることを考えた方が良さそうです。

アクリルとウールどちらがいい?

風合いがよく似ているアクリルとウールですが、どちらにもメリット・デメリットがあります。価格が安いのはアクリルなので、手が届きやすいと思います。
ウールは価格は高くなりますが、天然繊維ならではの魅力があります。

参考記事 : ウールはどんな素材? – freeen

価格は安く抑えたい!
購入した後の手入れが面倒くさくない方がいい!
汗かきだから吸湿性は絶対に欲しい!

などといった、自分のこだわりによって選び方は変わるはず。

それぞれの特性の違いを知って、自分に合ったものを選んでいきましょう。

アクリルの洗濯とお手入れ

アクリルはデリケートな衣服に使用されることが多いので、少し気にしてお手入れしましょう。

ネットに入れて生地の伸びと毛玉防止

アクリルは毛玉ができやすい素材です。毛玉は他の衣類との摩擦によってできてしまうので、裏返して洗濯ネットに入れて洗いましょう。丸めるようにして入れることで、より毛玉を防げます。

洗濯機と洗濯ネット

また洗濯ネットに入れることで、生地が伸びるのを防ぐこともできます。

洗濯機は手洗いコースで

洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤、洗濯機で洗う場合は、手洗いコースといった優しく洗うコースにします。

汚れがひどい時には中性洗剤をつけ、軽く叩いて汚れを浮かせて洗濯します。
ゴシゴシこすったりすると生地を傷めてしまうので注意です。

ぬるま湯で洗うのがベター

30°Cくらいのぬるま湯で洗うのがおすすめ。
ぬるま湯の方が汚れが落ちやすいことと、ウールやカシミヤなどの素材が混紡されている場合、冷たい水で洗うと縮んでしまいます。

脱水は短めに

乾きやすいので脱水は短めでOK。脱水時間を短くすることで毛玉予防にもなります。

アイロンは当て布をする

アクリルは熱に弱いので、アイロンは必ず当て布をして、低温でかけます。
もしくはスチームアイロンを浮かせて、形を整えるような形でかけるのがおすすめです。

毛玉は定期的に処理

摩擦が起こるとどうしても毛玉はできてしまいます。アクリル素材は毛玉が自然には取れづらいので、定期的に毛玉チェックをして処理しましょう。

他の素材とコラボして短所を緩和

アクリルはコットンやポリエステルなど、他の素材と混合しやすいのも特徴のひとつ。
他の素材と合わせることで、短所を緩和できます。

ウールとアクリルを混紡すれば、ウール100%よりも価格を抑えつつ、柔らかい風合いとアクリルの短所であるベタつきをおさえることになります。

アクリル製品に限りませんが、短所を緩和してくれるような素材とコラボしているかもみてみると、自分に合ったモノが選びやすくなります。

いろいろな素材を知って自分に合ったモノを手に入れていきましょう!