長持ちさせたいスウェットのお手入れのコツ
2022/06/14
楽で着心地のいいスウェットは部屋着としてもお出かけ用としても楽でおしゃれに使える万能アイテム。
吸水性に優れ、楽に着こなせるので、カジュアルファッションに多く使われます。
お気に入りのスウェットであれば当然着る機会は増えるのではないでしょうか。
着る機会が多い=洗濯の回数が多い。そして洗濯の回数が多くなると併せて毛玉が増え、生地が伸びてしまうことも。
少しでも長くきれいな状態を保つためにも、ちょっとしたお手入れのコツをご紹介します。
スウェットとはどんな生地?
スウェットは英語の sweat(汗という意味)に由来しており、汗を吸う生地であることが特徴となっています。
日本では「スウェット生地を使って作った服」をスウェットと言うことも多いですが、本来は「生地の名前」です。
表と裏の編み方が異なり、裏地のある2重構造になっています。
裏面は裏毛・裏起毛が使われ保温性を備え、2重構造より防寒性がUP。裏毛は吸水性が高く、肌触りも良いので快適な着心地になります。
表面は天竺編み(平編み・メリヤス編み)。この編み方によって、耐久性・伸縮性のある生地になっています。
吸水性と伸縮性、防寒性に優れ、快適な着心地です。部屋着、ちょっとしたお出かけ、スポーツファッションなど多くの場面で使用しやすい生地です。
ルーツはウールの肌着
スウェットはウール素材から作られた肌着が起源。
「動物性の繊維の衣服を肌に直接着ると健康に良い」という論文が発表され、ウール素材の肌着が販売されるように。これがロンドンで働く人たちに人気となりやがて定番化。
保温性が良いことに着目したスポーツウェアメーカーが、ウール素材+天竺編みユニフォームを開発し、使用されていました。
ただウールは吸水性が悪く、スポーツシーンには不向き。肌が擦りむけるほどの刺激もあったそうです。
そんな1920年、ラッセルアスレティックというスポーツメーカーから綿素材のスポーツウェアが開発されました。
RUSSELL ATHLETIC(ラッセルアスレティック)
創業者の息子が、ウールのスポーツウェアの悪さを感じ、綿素材を提案。その提案を受けて作ったものが、綿素材のスポーツウェア。そして現在のスウェットとなっています。
このようにスポーツウェアとして誕生したアイテムですが、最近ではシルエットや素材もさまざまなものを使い、ドレッシーなものも増えてファッションの定番アイテムとなっています。
洗濯表示・素材を確認する
綿素材で作られることの多いスウェットですが、必ずしもそうとは限りません。他の素材と混ぜて機能をより高めているものもあります。
洗濯機で洗えるものか、何か注意点はないか。といったことを洗濯表示でチェックしましょう。
洗濯できる | 洗濯できない |
よく混紡されている素材
綿以外に洗濯に注意が必要な素材が混ざっていることもあります。どんな素材が混紡されているのかチェックして、洗濯するときの参考にしてください。
リネンとの混紡
暖かくなってきた季節にはリネンとの混紡したスウェットがぴったり。通気性に優れ、湿気がこもりづらいため夏場でも蒸し暑さを軽減してくれます。
リネンが入っているアイテムは縮みやシワに気をつける必要があります。
ポリエステルとの混紡
ポリエステルが多めの生地は耐久性・速乾性が高くなりお手入れしやすいですが、ポリエステルにも注意したい部分はあります。
ポリウレタンとの混紡
ポリウレタンは伸縮性の高い素材で、「動きやすさ」を重視したスウェットアイテムはポリウレタンが混ざっていることもしばしばあります。
ただしポリウレタンは劣化しやすい素材でもあるため、お手入れは十分に気をつけたいところです。
襟・袖・シミは洗濯機に入れる前に処理
シミはそのまま洗ってもそこだけ汚れが落としきれない可能性があります。洗濯機にかける前に汚れを取り除いておいた方がきれいに仕上がります。
洗剤をつけたタオルで軽く叩くようにして汚れを取り除いておきましょう。
また襟や袖、裾などは汚れやすく黄ばみやすいところ。黄ばみの原因は落としきれなかった皮脂汚れの蓄積。皮脂は冷たい水では落としにくく、通常の洗濯だけで完全に落とし切るのが難しいものなのです。
ぬるま湯に洗剤をつけて下洗いしておくと、汚れがたまりにくいです。
裏起毛なら毛が抜けないかチェック
スウェットには裏地があります。その裏地が裏起毛だと、洗濯して毛が抜けて他の衣類についてしまうことも。
特に買ったばかりのアイテムは注意が必要です。起毛加工した時の抜け毛が大量に残っている可能性が多く、洗濯するとその抜け毛が落ちます。
抜け毛が心配な場合は一度単品で洗濯するのがおすすめです。
洗濯の前に粘着テープ(ガムテープやコロコロなど)でペタペタして、毛が抜けるかどうかチェック。テープにたくさん毛がつくなら、洗濯でも抜け落ちるので、単品で洗うかこの時にしっかり取るようにしましょう。
毛玉や伸び縮みを軽減させるために洗濯ネットを使用する
スウェット問題といえば、毛玉と伸び縮み。特に洗濯の時にこの問題が起きることが多いので、注意して行いましょう。
洗濯機で洗う際に発生する摩擦は大きく、毛玉や生地が伸びる原因となります。そのため、洗濯ネットに入れ、やさしく洗う(ドライコースや手洗いコース)コースを選ぶようにします。
また、ジップ付きのものは閉めて、プリントが入っている場合などは裏返しにします。
洗剤は中性洗剤で毛玉防止効果のあるものならなおいいです。柔軟剤を使うのもおすすめです。
毛玉発生の原因となる静電気を抑え、肌触りのよさもキープして仕上げることができます。
長時間脱水は痛みの原因になるため、1分くらいの短時間で済ませます。
長時間脱水は生地のダメージの原因になりやすいので、デリケートなものは特に1分くらいの短時間で済ませます。水が滴り落ちない程度であれば大丈夫です。
ブラシで毛玉を取る
どんなに頑張ってお手入れしても、完全になくすことができない毛玉。
発生してしまうものはしょうがないです。ブラシを使って、毛玉を取り除きましょう。
着た後に軽くブラッシングすることで毛玉予防にもなります。
乾燥機はNG
スウェットは乾燥機にかけると縮む原因になります。乾燥機にかけて着れなくなった…なんてことも少なからずあるので、自然乾燥させましょう。
干す時の注意点
物干し竿にかけて干す
生地に一番負担をかけない干し方は、物干し竿にそのままだらっとかけること。
干すときのダメージを最小限に抑えてくれます。
ただこの干し方だと、裏面の空気が通りにくくなるので、途中でひっくり返します。
平干し用ハンガーがあるときはそちらでももちろんOK。
袖を物干し竿に通して干すのもハンガーにかけるより重みが分散され、袖も乾きやすいのでおすすめです。
ハンガーにかける時の注意
物干し竿や他の場所にもかけるスペースがない場合もあると思います。ハンガーにかける場合は以下のことに気をつけてかけるようにしてください。
襟を伸ばさないように裾から
襟からハンガーにかけようとすると、どうしても襟を引っ張ってしまいます。ハンガーにかけるたびにネック部分を引っ張って徐々に伸びていきます。
ハンガーにかけるときはネックからではく、裾から入れましょう。
スウェットに限らず、どのアイテムにも言えることなので、裾からハンガーを通すクセをつけておくといいと思います。
厚みのあるハンガーを選ぶ
よくクリーニング店でもらえる針金ハンガーを使っている人も少なくないかもしれません。
実は肩がとびでる原因になりやすいです。
水を含んだスウェットは重くなるため下に引っ張られます。ハンガーが細いほど負担がかかってしまうので、厚みのあるものを使いましょう。
また厚みのある方が空気が通りやすいので乾きが早く、生乾き防止にもなります。
袖を上げて重さを分散
袖を持ち上げて竿に洗濯バサミでとめることで、重さを分散させることができます。またはハンガーを並べて袖をかけるようにして干すのもおすすめです。
少しでも重さを分散させることで、肩の部分にかかる重量や下に引っ張られる伸びを抑えることができます。
スウェットでもお手入れをしっかりして長持ちさせよう
スウェットは丈夫でカジュアルアイテムだから洗濯はそんなに気にしなくても大丈夫。と思う人も多いと思います。
ただ冬に着るざっくりしたニットセーターなどは、ちょっと意識したりしませんか。
これは洗濯機で洗っていいものか。ハンガーにかけると伸びてしまうから気をつける。
こんなことを思うのではないでしょうか。
編んでつくられているアイテムは、デリケートなものが多いです。ニットの場合は使われる素材がデリケートな場合も多いというのもあります。
スウェットもそのニットの一種で、編んで作られている生地です。なので、伸び縮みしやすい生地といえます。雑に扱ってしまうとやはり長持ちしません。
おしゃれ着用のスウェットもたくさんあるので、ちゃんとお手入れできるようにしておきましょう。
お気に入りのアイテムは少しでも長持ちさせたいものです。そのためにも少しだけ手間をかけてお手入れしてあげてください。