服の素材の名称・分類・特徴などのまとめ | freeen

服の素材の名称・分類・特徴などのまとめ

2022/06/21

私たちが着る服にはさまざまな素材が使われています。

服になるまでをざっくり言うとこのような過程になります。
【繊維 → 糸 → 生地 → 服】

繊維はとても細かいもので1mmの1/100、1/10といったものがほとんどです。
この細かい繊維を集めて糸が作られます。
服は糸を織ったり編んだりして生地を作り、その生地を着れるようにデザインして完成します。

最近では環境問題も大きな関心事となっています。気に入った服がどのような繊維からつくられているか、確認する人も少なくないはず。

服の元となる素材や繊維の知識をしっかりつけて選ぶと失敗が少なくなります。特徴を知ることで、さらに服選びを上手に楽しむことができます。

それぞれの長所や短所など、特徴を知って自分にあった素材を見つけていきましょう。

繊維の大分類

繊維は大きく2種類に分けられています。

※クリックするとそれぞれの見出しへとびます

この種類ごとにそれぞれの
素材名や特徴をまとめていきます。

天然繊維

天然繊維は自然にある素材を、化学的な加工はせずそのまま使った繊維のことを言います。
さらに細かく分けて、植物繊維・動物繊維・鉱物繊維があります。

植物繊維

植物を原料とした繊維。

【主な素材】綿・麻

動物繊維

動物の毛や蚕の繭などが原料となる繊維。

【主な素材】絹(蚕の繭が原料)・毛(羊やヤギ、ウサギやラクダなど動物の毛)

鉱物繊維

石綿(アスベスト)

植物繊維

植物繊維の綿と麻の主成分はセルロース(麻は65%〜80%程度)。

【植物繊維の共通の特徴】
シワになりやすい。
丈夫で吸湿性・通気性に優れる。

素材名 特徴
綿
Cotton

綿の木になる綿花から取れる素材。品種や産地によって繊維の形や色は異なる。

保温性・耐熱性にも優れ、やわらかく肌触りが良い。
日光で黄ばみやすいのがデメリット。

洗濯しやすくお手入れが簡単なので、普段着にぴったり。


Hemp

麻には種類があり、衣料として使われる代表的なものは亜麻(リネン)、苧麻ラミー、大麻。茎の靭皮(じんぴ)から採取する。

元々丈夫な素材だが、水を含むとさらに強度が上がる。
毛羽立ちやすく、肌に合わない人は皮膚障害が起こることもある。

使うごとに風合いが増すため長く愛用できる素材。
吸湿性の良さと水分を発散させる性質と清涼感があるので夏の素材として人気。
ナチュラルな印象をつけたい時にもぴったり。

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動物繊維

動物性の天然繊維は絹と毛で、毛の素材はさらに種類があります。

毛素材の共通の特徴として保温性があって温かいこと、虫がつきやすいので保管には注意が必要なことがあげられます。

素材名 特徴

Silk

蚕の繭から取れる素材。
他の繊維と比べて特に肌触りがよく、光沢がある。高級品として扱われることが多い。

肌触りがよく、独特の光沢感があり、保温性・保湿性に優れる。

羊毛
Wool

羊の毛を加工した繊維。動物繊維の中で最も手に入りやすい。髪と同じケラチンでできていて、キューティクルで覆われている。

・伸縮性、弾力性があり動きやすい。
・吸湿性に優れ、水を弾きやすい。
・洗濯や日光による退色に強いが、水洗いすると縮みやすい。
・毛玉になりやすい。

アルパカ
Alpaca

アルパカの毛を加工した繊維。とてもやわらかい肌触り。

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化学繊維

石油を原料とするものや、化学薬品を使って人工的につくられた繊維が化学繊維です。

天然繊維の代用、デメリットを改善した繊維を作るために開発されてきました。
天然繊維は時間や手間がかかり、大量生産するのが難しいため価格が高くなってしまいます。「大量生産」でき、「価格を抑えられる」というのが化学繊維です。
その他、天然繊維だけでは実現しづらい機能面でも化学繊維が補っていたりします。

化学繊維はさらに合成繊維・半合成繊維・再生繊維・無機繊維に分けられます。

合成繊維

石油や石炭を原料として合成したもの。繊維を作る時に機能剤を入れて、服の機能性を高める。同じ種類の繊維でも、入れる機能剤によって違った特徴の生地になる。
酸やアルカリ、有機薬品に強い。

【主な素材】ナイロン・ポリエステル・アクリル・ポリウレタン

半合成繊維

合成繊維と再生繊維の中間的なもの。原料はタンパク質とアクリロニトリルといったもので、天然物質の原料を化学薬品を混ぜて科学的に変化させて作ったもの。

【主な素材】アセテート・トリアセテート

再生繊維

木材パルプ(木材のくず)やコットンリンター(綿花)などの天然素材から繊維をとって、それを一度溶かしてから化学薬品を混ぜて作られる繊維。
ペットボトルを再生して作るポリエステル繊維も再生繊維の一つ。

【主な素材】レーヨン・キュプラ・モダール・リヨセル

無機繊維

金属やガラスから加工された繊維。耐熱性、防熱・防音に効果があり、主に建築材料に利用される。(衣類にはあまり使用されない)

炭素繊維、金属繊維、ロックファイバー(岩石繊維)

合成繊維はシワになりにくく、洗濯しやすく乾きが早い、型崩れしにくいといったメリットがあります。
また大量生産しやすく安価で作れるため、天然繊維より安い値段で商品が作れます。

多くの合成繊維は通気性や吸湿性が低く、静電気を起こしやすいです。これは生地が傷みやすく、肌への負担が大きいことを表します。

合成繊維は「強い繊維」というのも特徴の一つ。これは切れにくい、ほつれが少ないというメリットにもなりますが、一度毛玉ができると表面にしっかりついて取れづらいというデメリットにもなります。

サツマイモなどを原料としたバイオベース繊維というものもあります。

合成繊維

【合成繊維の共通の特徴】
静電気が起きやすい(ホコリが付きやすかったり毛玉ができやすい)
吸湿性が低く、速乾性が高い(乾きやすい)。
虫やカビ、薬品に強い。
軽くて丈夫で弾力性があり、シワになりにくい。

素材名 特徴
ナイロン
Nylon

世界で最初に作られた合成繊維。シルクの代用品として誕生。

光沢があり、軽くて丈夫。
天然繊維ほどではないが、合成繊維の中では高い吸湿性がある。
紫外線に当たると、徐々に黄変する。

熱可塑性(常温では変形しにくいが、加熱すると軟化して変形しやすくなる。冷やすとまた固くなる)の性質を持つため、アイロンがけには注意が必要。

ポリエステル
Polyester

他の繊維との相性が良いため混紡されることも多く、使い勝手のよさ、強度の高さ、コストの安さと言った点から世界でもっとも多く作られている合成繊維。

汚れると落ちづらく、逆汚染がある。
吸湿性が少なく、汗をかくとこもりやすい。熱に弱く、溶けやすい。
水によって縮みにくい。

アクリル
Acrylic

ウールに似せた合成繊維でしなやかな風合いが特徴。
保温性が高く、軽くて丈夫で虫やカビなどにも強いためウールニットの代替品として使われることも多い。

吸湿性が低く、速乾性が高い。耐候性(日光に強い)と染色性に優れている。

ポリウレタン
Polyurethane

ゴムのような伸縮性のある繊維。ポリウレタンに特殊加工をしたものが合成皮革や合成毛皮。
伸縮性が非常に大きく、ゴムより強い。
熱に弱く日光によって黄変する。劣化が早く寿命は2〜3年ほど。

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半合成繊維

素材名 特徴
アセテート
Acetate

セルロース→酢酸セルロース→アセテート。
酢化度合いでトリアセテートとジアセテートに分けられる。

適度な吸湿性があり、光沢もある。
傘に使われることも。

再生繊維

木材や綿花などの原料から繊維をとって、それを一度溶かしてから新たに繊維として作られるものを再生繊維と言います。

素材名 特徴
レーヨン
(ビスコースレーヨン)

Rayon(Viscose Rayon)

原料はパルプ。
吸湿性、染色性が良い。肌触りがよく、独特の光沢感がある。

他にはない見た目や風合いがあるためよく使用される再生繊維。
デメリットも多いが、他の素材と組み合わせることで補うこともできる。

キュプラ (銅アンモニアレーヨン)
Cupra

原料はコットンリンター。
製造コストが高くあまり多くは作られていない。日本では旭化成(株)だけがキュプラを作っている。
「ベンベルグ」は旭化成株式会社のキュプラの商標名。

・保温性に優れ暖かい。
・伸縮性、弾力性があり動きやすい。
・吸湿性に優れ、水を弾きやすい。
・洗濯や日光による退色に強いが、水洗いすると縮みやすい。
・虫に弱く保管には注意が必要。
・毛玉になりやすい。

ビスコースレーヨンより光沢があり、薄手の高級織物によく使われる。

ポリノジック
Polynosic

綿に近づけようとしてレーヨンの重合度を高くして作られた素材。
コシの強い繊維で、ひっぱった時の強度はレーヨンより高い。

テンセル・リヨセル
Tencel・Lyocell

綿に近づけようとしてレーヨンの重合度を高くして作られた素材。
コシの強い繊維で、ひっぱった時の強度はレーヨンより高い。

モダール
Modal

木材パルプが原料で本質はレーヨンと同じ。レーヨンのデメリットを改善した素材。

レーヨンに比べてしなやかでソフトな風合い。
レーヨンは乾いている時より、濡れた時の方が強度が弱くなるが、モダールはそれほど強度は落ちない。
レーヨンは洗濯すると縮みやすいというデメリットが大きいが、モダールはレーヨンに比べると収縮が小さい。

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